エイチ・エス証券の特徴や手数料

かつてはIPOで強みがあったエイチ・エス証券

エイチ・エス証券 おすすめ

エイチエス証券はネット証券としてはSBI証券や楽天証券ほど知名度がある訳ではありませんが、基本的には店頭業務をメインとしており、ネットでの注文などもある程度力を入れている証券会社です。

何度かの社名変更を経て現在のエイチ・エス証券になっていますが、元々は1958年に協立証券とsちえ設立された歴史のある証券会社。

口座数は10万ほどと決して多くはないものの、2006年まではIPOでも積極的に主幹事を務めるなどIPO狙いの投資家にとっては穴場として知られていました。

そんなエイチ・エス証券がどういった証券会社なのか、手数料やIPOなど多角的に見ていきたいと思います。

エイチ・エス証券の1約定ごとの手数料体系

証券会社を選ぶにあたって気になるのが手数料。まずはエイチ・エス証券の1約定ごとの手数料を見てみましょう。

1注文の約定金額 現物取引手数料 信用取引手数料
~10万円  134円(144円)  96円(103円) 
~20万円  179円(193円)  140円(151円) 
~30万円  339円(366円)  458円(494円) 
~50万円  572円(617円) 
~100万円  1,000円(1,080円)  1,143円(1,234円) 
~150万円  1,143円(1,234円) 
150万円超  1,715円(1,852円)  1,429円(1,543円) 
※()内は税込 (2017年2月現在)  

手数料が比較的格安であるネット証券最大手のSBI証券と比べてみると、現物・信用取引共に20万円以下なら数円レベルで安いものの、それ以上になると一気に高くなってしまいます。

特に信用取引手数料はSBI証券で上限が360円(税込388円)なのに対し、エイチ・エス証券は1,429円(税込1,543円)と割高になってしまうため、短期売買などで頻繁に取引を行う人には向かないかもしれません。

20万円以下の取引しかしない人にとってはSBI証券に比べメリットがあるものの、それ以上の額になるとデメリットが目立ってきてしまいます。

エイチ・エス証券の1日定額手数料体系

次に、少額の取引を1日に何度も繰り返すデイトレーダーが活用することが多い1日定額の手数料コースを見てみましょう。

手数料プラン 約定代金合計額 手数料
ハイパーアクティブコース ~300万円  2,500円(2,700円) 
~600万円  5,000円(5,400円) 
~900万円  7,500円(8,100円) 
~1,200万円  10,000円(10,800円) 
以降300万円増加毎に  2,500円(2,700円)増 
※()内は税込 (2017年2月現在)  

要は300万円ごとに2,500円(税込2,700円)増加することになります。

特徴としては現物取引や信用取引の垣根がないことで、枠内であればどちらの取引をおこなっても手数料が変わることはありません。つまり定額コースであれば金利がかからない分現物取引の方がお得ということになります。

ただ、証券会社の多くは定額コースで100万円増ごとに400円(税込432円)増加という体系が主となっており、エイチ・エス証券の300万円増えるごとに2,500円(税込2,700円)増というのは決して安くはありません。

定額手数料が妙に高い楽天証券(100万円増ごとに手数料1,000円増)よりは安いが、多証券に比べれば高いというのが本音でしょうか。

信用取引の金利と貸株料

信用取引をする上で、たとえデイトレードでも絶対に必要になってくる金利や貸株料についても触れておきましょう。

取引区分 金利・貸株料率
金利・貸株料(年率) 買方 制度信用取引 2.80% 
一般信用取引 4.00% 
売方 制度信用取引 1.15% 

制度信用取引の金利や貸株料はSBI証券や楽天証券といった大手とほぼ同じながら、一般信用取引の金利は大手の3.09%に対して4.00%と高めになっています。

またエイチ・エス証券では一般信用取引での空売り(売建)は扱っておらず、6ヶ月期限の制度信用取引であれば可もなく不可もなくだが、期限無制限の一般信用取引はあまり期待できそうにありません。

手数料のことまで考慮すれば20万円以下の制度信用取引に妙味がある…といったところでしょうか。

エイチ・エス証券のトレードツール

エイチ・エス証券 ツール

アクティブな取引を行う上で絶対に欠かせないトレードツールに関しては、デイトレーダー向けの高機能ツール「HS Trader Premium Ⅱ」、ブラウザで使用できる「HS TraderⅡ」、iPhoneやAndoroid向けの「スマ株」と一通り揃っています。

中でもHS Trader Premium Ⅱは指値と逆指値を同時に発注できるOCO注文や、注文が約定した際に事前に設定していた反対売買の注文が自動的に発注されるIFDONE注文などが使用できるので、日中に値動きを見ることができない人にも心強いツールとなっています。

エイチ・エス証券のトレードツールは口座を持っている人であれば誰でも条件なく無料で使用することができるのも嬉しいところです。

他の証券会社の高機能有料ツールと違い完全無料ということで、エイチ・エス証券に口座さえ持っていれば資金が入っていなくても取引実績がなくても高機能ツールが使用できるため、自分に合っていると感じればこれを見ながら手数料の安い証券会社で取引するという使い方もできます。

…あまり褒められたものではありませんが…

エイチ・エス証券のIPO(新規公開株)は?

次に、多くの方が狙っているであろうIPO(新規公開株)のこれまでの取り扱い実績やルールなどを見てみましょう。

2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年 2007年
7 13 7 9 10 2 0 0 2 2

取り扱い数はあまり多くありません。

2006年くらいまでは年に数回主幹事を務めるなどIPOに力を入れていましたが、2007年以降は主幹事を務めることはほとんどなくなり、直近では2012、2014、2015年に1回ずつといった状況になっています。

また、基本は店頭業務を主とする証券会社とあってインターネット抽選に回る割合は割り当ての10%と少なく、平幹事の割り当ての10%となると当選確率は相当低くなってしまいます。

口座数が10万程度と少なく、完全平等抽選とあって穴場と見ることもできますが、2016年の実績を見てもインターネット抽選に回された枚数は九州旅客鉄道のような超大型案件で200枚強、その他のほとんどは5枚前後とやや厳しいか。

岡三オンライン証券などと違い抽選申し込みの時点で資金拘束されるとあって一定の資金を入れておく必要があるため、ある程度資金に余裕がありとにかく少しでも当選確率を上げたい人向けになるでしょうか。

口座数が少ない分主幹事が来れば面白い。

エイチ・エス証券の総評・まとめ

ややマイナーなイメージのあるエイチ・エス証券について触れてきましたが、最後に特徴をまとめてみましょう。

■約定代金20万円までなら現物・信用ともにSBI証券や楽天証券よりやや安い
■1日定額プランは他証券に比べ高い
■口座があればトレードツールはすべて無料
■IPOは取り扱いが少なくネット抽選に回る数も少ないため現状は厳しい

全体的に決め手に欠ける印象は拭えないものの、個人的にはIPOに期待したいところ。

口座数約10万という少なさはIPOにとって大きな魅力なので、昔のように年間数件くらいの主幹事を務めるようになれば見方も変わってくるでしょう。

現状では積極的に口座を開設するほどではないといのが本音。IPOや手数料など動きがあればまた追記したいと思います。

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