信用取引の金利・貸株料で証券会社を徹底比較

信用取引の大きなコストである金利と貸株料

株の取り引きのコストといえば真っ先に手数料が思い浮かぶと思いますが、信用取引に関しては手数料以外に買方なら金利が、売方なら貸株料がかかってくることになり、それは数秒しか保有しないような超短期売買ですら1日分を支払う必要があります。

一般的に現物取引に比べ格安な信用取引手数料ですが、金利や貸株料を合わせると数日保有するだけで現物取引の手数料を上回ってしまうことも多く決して無視できません。

その金利や貸株料、証券会社によって異なり、詳細は以下のようになります。

証券会社 買方(金利) 売方(貸株料)
制度信用取引 一般信用取引 制度信用取引 一般信用取引
SBI証券 2.80% 3.09% 1.15% 2.00%
楽天証券 2.85% 3.09% 1.10% 2.00%
マネックス証券 2.80% 3.47% 1.15%
松井証券 3.10% 4.10% 1.15% 2.00%
カブドットコム証券 2.98% 3.60% 1.15% 1.50%
GMOクリック証券 2.10% 3.50% 1.10%
岡三オンライン証券 2.60% 2.00%
ライブスター証券 2.30% 2.75% 1.10%
岩井コスモ証券 2.69% 3.69% 1.15% 1.90%
エイチ・エス証券 2.80% 4.00% 1.15%

こう見ると買方の金利は証券会社によってある程度幅がある一方、売方の貸株料に関しては大きな違いはなく、特に制度信用取引の貸株料は岡三オンライン証券を除き1.10%か1.15%の2種類しかありません。

制度信用取引の金利は手数料で最安値を争うライブスター証券GMOクリック証券がここでも低くなっており、取引コストを徹底して下げることによって独自色を出していることが伺えます。

一般信用取引の金利でもライブスター証券が最も優遇されており、次いでSBI証券と楽天証券の大手2社が3.09%。ただ毎日金利がかかる信用取引において期限無制限で金利が高い一般信用取引で買う人は限られると思いますが。

金利や貸株料の計算の仕方

金利や貸株料はすべて年利となっており、例えば「2.8%」とか書かれてもいったいどのくらいなのかピンとこないかたも多いと思いますので、金利や貸株料の計算の仕方を簡単に見てみましょう。

まず金利や貸株料の計算式は…

■〇〇万円(約定代金)÷365(日)×△.△%(金利・貸株料)

1日分は上記の計算式で出ることになり、円以下は切り捨てになります。例えば約定代金100万円、年率2.80%で考えると…

■100万円÷365×2.80%=76.712円

この条件でデイトレードを行うと信用取引手数料とは別に76円の金利が差し引かれることになり、仮にこれが90日の保有になると…

■100万円÷365×2.80%×90日=6,904円

ちなみに、信用取引の金利や貸株料は土日祝日でも取られるため注意して下さい。

決して無視できない金利や貸株料

上記のように信用取引の金利は100万円の約定代金でも1日数十円と大したことない金額に感じますが実際は馬鹿にできないコストで、現物取引より安めの信用取引手数料も数日保有すると金利で現物取引手数料より高くついてしまうこともしばしば。(→現物に対し信用取引が損になる期間

例えば1約定ごとの信用取引手数料が86円と最安のライブスター証券では、約定代金が140万円を超えると手数料以上の金利(88円)が毎日かかることになることからも、状況によっては手数料以上に気を使わなければならない要素と言えます。

制度信用取引の空売りであればほとんどの証券会社の貸株料は横並びなのであまり気にする必要はありませんが、それなりに差がある買方を考えるなら手数料も最安レベルのライブスター証券やGMOクリック証券が最適と言えるでしょう。

また、デイトレードに徹することができるなら楽天証券の「いちにち信用取引」や松井証券の「一日信用取引」は手数料完全無料、金利も1約定の代金が300万円を超えると無料になりますので、「俺はデイトレードしかしないぜ」という人はこれらの証券会社を使うとかなりコストが抑えられるはず。

信用取引をする際は金利や貸株料のことも留意しないと思わぬ出費になってしまいます。事実私は信用取引で買った株が含み損を抱え数ヶ月漬けた結果、値動き数円分の高い金利がかかってしまいました。

信用取引の手数料が安いのは金利や貸株料によって証券会社が儲かる仕組みだからということを忘れないで下さい。

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