勝手に相場観


2012.01.16  ユーロ圏分裂の危機か?

一昨日の記事でアメリカの格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が欧州9ヶ国の格下げに踏み切り、再び市場を不安に陥れていると書きましたが、これによってユーロ圏の分裂がより現実味を帯びてきました。

欧州債務問題がより深刻化して以降たびたび「ユーロ圏の分裂」は囁かれていましたが、今回の格下げによって欧州各国の力関係に微妙な変化が起き、それが引き金となって分裂に繋がるのではないか…といった懸念が生まれているようです。

以下朝日新聞から抜粋↓

フランスは、最上位の格付けである「AAA(トリプルA)」を失った。それは、国債を発行して市場からお金を借りようとするときに、投資家から今より高い金利を求められる可能性があることを意味する。

 2年近く続く欧州の政府債務(借金)危機の対応で、フランスは、同じく最上位格付けを持つドイツとともに主役だった。彼らの信用で市場でお金を集め、財政不安に陥った国に貸し付けてきた。だが、格下げでほかの国を助ける力が弱くなるおそれがある。

(中略)

S&Pは、フランスとは対照的にドイツなどには最上位の格付けを守り、「格差」ができた。「すべての国が格下げされれば、結束して問題に立ち向かうことになるだろう。しかし、これでは話し合いをかえって難しくしてしまう」と英国の専門家は指摘する。

 各国がギリシャを支えきれなくなるのではないか。突然借金が返せなくなる債務不履行に追い込まれ、ユーロ圏にもいられなくなるのでは――。「ユーロ分裂」に現実味が出てくるおそれがある。分裂やむなしとするのか、統合の理想に立ち返って再生をめざすのか。ユーロ誕生から13年。通貨同盟の各国の覚悟が問われる局面を迎えた。

もちろんこれは仮説であり「その可能性がある」といってものですが、当サイトでも散々書いているように世界経済は格付け会社に左右されすぎな感は否めません。

ただこの「ユーロ圏分裂」は水面下で欧州をはじめ様々な金融機関が想定の一つとして準備しているのは確かで、その想定には「ギリシャのユーロ圏脱退」や「一部の国で旧通貨を再び導入」といったものから「完全分裂によりユーロ消滅」といったショッキングなものまで様々。

そもそもユーロを正式に導入している17ヶ国は当然経済情勢、インフレ率、財務状況などが異なるのに対して金融政策を決めるのは欧州中央銀行(ECB)ただ一行で、ひとつの金融政策を17ヶ国に適応しようというのは素人考えでも無理があるように思えます。

それでもサブプライムローン問題、リーマンショックまでは比較的世界経済は安定していたのでどうにかなっていたのかもしれませんが、リーマンショック以降信用不安は拡大し、景気はどん底で各国の財政状況は悪化し「17ヶ国を一つの金融政策で」という無理が表面化してきたのかもしれません。

現在欧州各国は金融機関が保有するギリシャ国債の減額や財務ルールの統一なども話し合っているようですが、様々な思惑もありなかなかまとまらないのが現状です。

「今年の世界経済は欧州債務問題の動向にかかっている」と言われており、「どうにかなるだろう」と楽観視されていた時期もありましたが、状況は徐々に悪くなっている印象を受けます。

今日のユーロは97.03円を付け97円を切るのも時間の問題となっています。
このまま欧州の債務問題が長引けば2000年10月に付けた史上最安値である88.87円も視野に入ってくるのかもしれません。

まあそうなる前に「ギリシャのデフォルト(債務不履行)」なり「ユーロ圏分裂」なり「救済で債務問題解決」なり良くも悪くも欧州債務問題は「決着」を見せると思います。

史上最安値を付けるとすれば…悪いシナリオに振れた時か…

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