勝手に相場観


2012.11.01  電機メーカーの2012年4〜9月期決算と業績予想

4月に大手電機メーカーの2012年3月期の業績予想を取り上げましたが、今回は大手電機メーカー各社の業績見通しと2012年4〜9月期の連結決算が出揃ったので調べてみました。

パナソニックが色々とヤバそうな雰囲気を醸し出しております。

とりあえず今現在まで分かっている電機メーカーの13年3月期(通期)の業績予想と12年4〜9月期の中間連結決算の純利益が多い順から見てみましょう。

2012年11月 電機メーカーの中間決算と業績予想

日立製作所と三菱電機、東芝は2012年3月期もしっかりと黒字を確保していましたし、ちょっと苦戦している印象を受けるとはいえ今回もちゃんと黒字としています。

NECは前期の赤字から黒字転換に成功し、逆に富士通は前期の黒字から赤字に転落しておりますが、まだ十分に巻き返せるレベルで、 厳しい業績が予想されたソニーやシャープは、これまでの業績予想に若干の甘さが見えるものの、まあ許容範囲内といった印象を受ける中でパナソニックは異彩を放っております。

パナソニックのこれまでの業績予想500億円の黒字というのは私が打ち間違えた訳ではなく、パナソニックが12年4〜6月期の当期損益発表時におっしゃっていた数字であり、ほんの3ヶ月前まで真顔で「通期は500億円の黒字!」と言っていたのだから恐れ入る。

通期で500億円の黒字を出すはずが、4〜9月期の半年ですでに6851億円の赤字を計上しており、通期予想は3ヶ月という短期間で8000億円以上悪化するという状況に、底辺の私が大企業の経営陣にこういう事を言うのはなんだが…

無能?

一応フォローしておくと、4〜9月期は6851億円という巨額の赤字を出しておりますが、本業の利益を示す営業利益に関しては873億円の黒字を確保しており、今回の赤字額は多額の構造改革費用を計上した事によるものとの事です。

以下パナソニック公式発表の「連結通期業績予想数値の修正の理由」を転載↓

売上高は、デジタルコンシューマー商品の市況悪化や、新興国の景気減速の影響を受け、大幅な減収となる見込みです。営業利益につきましては、この売上減少が大きく影響し、減収となる見込みです。また、税引前利益は、営業外費用として、第2四半期連結累計期間における上述の事業構造改革費用の計上や第3四半期以降においても追加の事業構造改革費用を見込むことにより、当社株主に帰属する当期純利益は、上述の繰延税金資産の取崩しなどにより、連結通期業績予想をそれぞれ修正いたします。

つまり今回の巨額の構造改革費用の計上により一時的に大きく業績は悪化するが、これから持ち直す事を期待できる…はずなのですが、実は2012年3月期に記録した7800億円の赤字もそのほとんどが構造改革にあてた費用とされていました。

これまでの500億円の黒字予想は2012年3月期に計上した多額の構造改革費によって業績が持ち直すであろうという予測からに他ならず、いきなり「やっぱり構造改革費用足りなかったからまた巨額計上するパナ〜」とかオッサンに言われれば、そりゃストップ安にもなるわ。

今回で一番引っかかるのは巨額の赤字を計上した事より500億円の黒字を見込んでいたという事であり、本気で500億円の黒字を出せると思っていたのであれば、まともな見通しすら出来ない正真正銘の「無能」であり、無理だと分かっていながら500億円の黒字と発表したのであれば株主への裏切り行為に他ならず、ある意味「詐欺」とも言える。

半年で6851億円の赤字を出し、上記のような問題もあれば「通期で7650億円の赤字で収まるのか?」という疑問が湧き、これはもしかしたら悪夢の赤字額1兆円超えもあるかも…

パナソニックが市場にこんな衝撃を与えてくれたお陰で、やはり巨額の赤字を出して2000億円の下方修正を行い経営危機にあるシャープがかすんでしまいました。

一番純利益が多い三菱電機の黒字額が436億円である一方、下位2社は文字通りの桁違いの赤字額であり、日本の電機メーカーが置かれている厳しい状況が見て取れます。



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