勝手に相場観

2017.09.09  北朝鮮問題通過の安心感とFOMCへの警戒感

米ドル円相場が大きく崩れだした。

3日に行われた北朝鮮の核実験によってやや円高株安に振れたものの下落は限定的で、パニック的な売りとは程遠かったため「市場は冷静だな〜」と感じていました。

しかし、そんなやや緩慢な円高の流れはだらだらと続き、7日未明からはほぼ一方的な円高に。7日の午前中まで109円台だった米ドル円相場は午後に入って108円台に突入しても止まらず、8日の日中には107円台へ。

夜には一時107.28円まで円が買われ、そこから反発はしたものの107円台後半で今週の取引を終えました。

こんなことになった原因は9日の北朝鮮建国記念日での挑発を懸念しての事のようにも感じますが、米の軍事行動の可能性はほぼないとする見方を考えれば、あくまでも“一因”と考えるの自然か。

ここのところ米の長期金利低下に歯止めがかからず、それがドル売りを誘っている感がある。実際、地政学的リスクの高まりで円が買われているというよりは米ドルが売られている傾向が垣間見えます。

この背景にはハリケーンの被害やトランプ政権や米景気に対する不信感などがあると見られています。

そう考えると、北朝鮮の建国記念日にあたる今日ミサイル発射や核実験といった挑発行動がなく安心感が広がったとしても、急激な円安は望めないのかなと。

9日も昼過ぎとなった現在、北が何か行動を起こしたという報道はなく、このまま行けば週明けは一定の円安株高にはなろうが、米の動きを見るに「果たしてどこまで?」という疑念を抱かざるを得ません。

米ドルは年初来安値

これまで米ドル円は4月17日に付けた108.13円という年初来安値が安値のメドと見られていましたが、8日はこれを割り込んだ値動きに終始しました。

これを割り込んでしまうと、それ以降しばらくはこれといったメドが存在しない底なし沼の様相を呈してきます。

2017年9月9日 米ドル円

あえて挙げるならトランプ大統領が誕生した際の混乱時に付けた101.18円だが、長期的にならまだしも短中期的にそこまで円高になることは当然考えらない。

そうなると、さらに円高に振れた際のメドは節目となる105円あたりか。

とはいえ、来週になれば北朝鮮の建国記念日を通過したという一定の安心感が広がると見られますので、反発の可能性の方が高いでしょう。その際の戻りのメドに関しては、しばらくネックラインとして米ドル円を下支えしてきた109円あたりになるかと。

現在の米は色々と問題を抱えている上に、年内の利上げも厳しい状況。利上げ観測が強まらないと本格的な円安は考えづらいのは言うまでもありません。

来週は木曜日に米の消費者物価指数が発表されるので、まずはこれでインフレっぷりを見極めて、19、20日の連邦公開市場委員会(FOMC)に備えるというスケジュールになるでしょうか。

それにしても、ここのところ米の指標に弱さが目立っている。

米指標が弱いということは利上げ観測の後退を連想させドル安に。それは輸出関連企業が幅を利かせる日本市場にとってマイナスになりますから、当然株価も下落しやすくなります。

相変わらず日銀によるETF買い入れは1日当たり約730億円規模で散発的に行われているものの、残高はすでに2兆円を大きく下回っており限界が見え始めた。

短期的な話をすれば前述のように北朝鮮問題に対する安心感が広がり反発を見せる可能性が高いものの、中長期的に見るとドル円、株価共に厳しいかなという印象。

来週は北の建国記念日を通過したことによる安心感と、FOMCへの警戒感が混在してどういう相場形成になるのかに注目しましょうか。


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