2012.06.29 権利付き最終日の空売りは逆日歩に注意
おおっ!! なんか知らんけど日経平均株価が9000円になってる!!
これを受けて日経平均株価が8700円台の時に251円で買った住友化学<4005>の株価をワクワクしながら見てみたら…
243円………なぜ? どちらかというとディフェンシブ銘柄だからか?
ならばと昨日の段階で219円の買いに対して終値217円と、含み損が2000円にまで減っていた川崎重工業<7012>の株価をチェックしてみたら…
216円………日経平均株価大幅高なのに、なぜお前は下げてる?
日経平均株価が9000円を回復したのに、保有している2銘柄のどちらも含み損ってのは精神衛生上極めて良くないぞ。
話は変わって、少し前私と同じく株式投資をしている知り合いと話している時に「逆日歩」についての興味深い話題が出た。
逆日歩については「逆日歩(品貸料)とは」のページで書いていますので詳しい解説は端折りますが、信用取引で空売りが増え貸し出せる株式が不足してくると、証券会社は金融機関や機関投資家などから有料で株を借りる事になり、その際にかかったお金を「逆日歩」として投資家が負担するといったもの。
特に材料も何もない状況での空売りであれば、普通は逆日歩はかからないか、かかっても数十銭程度なのですが、優待の権利付き最終日~権利落ち日をまたいで空売りすると、時として驚くほどの逆日歩が発生したりします。
そして逆日歩はシステム上、火曜日に空売りして持ち越すと次の日である水曜日に買い戻しても(決済しても)3日分の逆日歩を取られます。
前にこのサイトでも取り上げた事のあるアトム<7412>は株価の割に株主優待が大きく、優待目的で保有している方も多いのですが、こういった銘柄は優待の権利落ち日には大きく値を下げる傾向にあり、故に権利付き最終日に空売りして、権利落ち日以降に買い戻して利益を出そうと考える人も大勢います。
ここからが本題ですが、2012年3月27日(火)がアトムの株主優待の権利付き最終日で、前述の私の知り合いはこの日にアトムを空売りしたそうです。
逆日歩の事はあまり考えていなかったそうですが、運が悪い事にこの日は持ち越すと3日分の逆日歩を取られる火曜日…
単純に値幅では買値から十数円下がり、それなりの利益が出ているはずなのに評価額を見たら大きくマイナス…で、逆日歩を調べてみたら、火曜日からの持ち越しの逆日歩3日分で一株当たり34.5円だったという…
つまり1000株で逆日歩34,500円也!!
マジッすか…
逆日歩の額はその都度違いますが、権利付き最終日~権利落ち日をまたぐ場合、空売りで利益を上げようと考える人が増えるため株が不足して多くは逆日歩が発生し、銘柄によっては洒落にならないほどの額になったりします。
ただし、逆日歩は空売りすれば支払う立場になりますが、信用買いならば逆に受け取る事ができます。
逆日歩が発生している銘柄を信用買いすると、株を貸しているという立場になるため逆日歩を受け取る立場になり、前述のアトムの一株34.5円という恐ろしい逆日歩も、信用買いなら株価の下げ幅を大きく上回る逆日歩を受け取れ、ウハウハだったという事になります。
こういった事から逆日歩を目当てに多少の株価の下げは覚悟して信用買いする方もいます。
どちらにせよ現物でも信用でも「買い」であれば予想外の大きな出費というのはありませんが、空売りする場合は逆日歩の事も常に頭に置いておかないといけないんだな~…と感じさせる知人との会話でした。
逆日歩の存在自体は知っていましたし、信用口座も開設し信用取引も出来る状態にありますが、最近は信用取引を行う事はなく、空売りもあまり活用しなかったので、「逆日歩って貸株料程度でしょ」と思っていたあどけない中年。
ひとつ勉強になった中年の夏でした。
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