2013.08.14 信用倍率が高い銘柄は上値が重い
一昨日の記事で「連日の下落でチャートの形はどんどん悪くなっており、更なる下落も考えられる」とか鼻息荒く書いた翌日にはガンガン上げてくれる株価に、なんかもうね…
377円で買って数日間含み損状態だった富士通<6702>も昨日の上昇で含み損は解消され、昨日の日中に379円といういつも通りのセコイ利益確定をしたのですが、結局その後は上昇し終値は384円で内心「くそ~」と思っていたら、今日は取り憑かれたように上昇して終値は402円だってよコンチクショウ。
いつまで経っても学習しないなぁ…
で、悔しいから今日日立製作所<6501>を買ってやったぜぇ~、ワイr…
…富士通より値動きの大きい日立の購入が吉と出るか凶と出るか?
今日の取引にあたり出遅れ感がある日立と東芝<6502>で迷い、最終的に業績なども加味して日立を買いましたが、この2社にはとても気になる点があります。
それが信用倍率。
日立と東芝の8月9日時点の信用買い残数と売り残数、信用倍率は以下の通り↓
■日立 買い残 33,106,000株 売り残 1,641,000株 信用倍率 20.17倍
■東芝 買い残 72,989,000株 売り残 1,718,000株 信用倍率 42.48倍
一応「信用倍率」を簡単に説明しておくと、信用取引で株を買い決済していない(売っていない)ものを「買い残」、信用取引で空売りし決済していない(買い戻していない)ものを「売り残」とし、買い残を売り残で割ったものを「信用倍率」と呼びます。
信用取引のほとんどは半年間で決済しなければならないという縛りのある「制度信用取引」で、ゆえに買い残数は半年以内に必ず売られる数でもあり、逆に売り残数は半年以内に必ず買い戻される数でもあります。
信用倍率が高いという事は売り残より買い残が多いという事であり買い残数が多いという事は近い将来の売り圧力になると推測されるのです。
ただ、どんなに信用倍率が高くても買い残数がその銘柄の1日の出来高よりずっと少なければ「普段の取引の中で余裕で吸収可能」とみなされ大した問題にはならないのですが、件の日立や東芝の今日の出来高を見てみると…
■日立 出来高 21,449,000株
■東芝 出来高 34,822,000株
…となっており、1日の出来高よりずっと多い数の買い残がある事が分かり、こういった銘柄は上値が重い事が予想されます。
なら買うなよっと。
ああ、日経平均先物が100円以上下げてるわ~。
早まった感は拭えんが、とりあえず太田胃散の準備は万端だ。
あわせて読みたい関連記事
信用取引は現物取引に比べ圧倒的に安い手数料が魅力のひとつです。しかし毎日金利や貸株料がかかるというデメリットもあり、「何日くらい保有すると現物より高くつくんだろう?」と考えたことはありませんか?その疑問に応えるべくいくつかのパターンで計算してみました…続きを読む
いざ投資をはじめようとした時「株にするかFXにするか」で迷う人は多いと思います。FXと株式投資どちらが儲かるかは人によって、もしくは投資法によって変わりますが、これらの特徴やメリットデメリットを詳しく解説しますので今後の投資に活かしてください…続きを読む
株価というのは良い材料が出れば上がり、悪い材料が出れば下がるとされています。しかし実際は全体の地合いやトレンドがものをいい、どんなに業績が良くても地合いが悪かったりトレンドが下降気味だったら株価は下がり、逆に業績が悪くても地合いが良ければ株価が上がる…続きを読む
株主優待をリスクなく貰う方法としていわゆる「優待タダ取り」というものがあります。厳密には手数料や貸株料がかかるためタダにはならないものの、銘柄を選べばかなりお得になります。しかし色々と注意点やデメリットもありますので損をしないための具体的な説明をしていきます…続きを読む
信用取引の場合2013年1月から差金決済が解禁され同一資金でいくらでも取引できるようになりましたが、現物取引の場合は差金決済が禁止されており同日中の同一資金による同一銘柄の取引は1往復までしか行えません。分かりやすく詳しい仕組みを見てみましょう…続きを読む
委託証拠金が不足し追証が発生しつつも、それを無視し期限を過ぎてしまったらどうなるのか?私自身が経験した追証から建玉を損切りしたものの結局信用取引を停止され、その後信用取引口座継続の意思確認を経て信用口座が復活した経緯を書きます…続きを読む
割安感を測る指標としてPER(株価収益率)は投資判断でよく用いられ、一般的に数字が低ければ「割安」とされますが、“マイナス”のPERはどうなのでしょうか?これは前期や今期予想などが赤字の場合に見られ、指標として意味を成しませんがV字回復への期待を込めて買うという方法も…続きを読む
株式投資とギャンブルの違いは胴元がいるかどうかもそうですが、やった後に何も残らないギャンブルと違い投資を始めると経済に敏感になり、結果経済の勉強になりますし、世界の人々が集う市場に参加するというのは閉鎖的なギャンブルの世界とは全く別物です…続きを読む