GMOクリック証券の特徴や手数料
東証一部上場企業の底力
GMOクリック証券といえばFX(外国為替証拠金取引)のイメージが強い方もいらっしゃると思われ、実際に2017年現在FXでは2012~2016年まで5年連続で取引高世界一になっているほどFX取引が盛んな証券会社ですが、名前が示すように株式投資にも力を入れています。
東証一部上昇のGMOインターネット株式会社という母体からくる信頼性に加え、業界トップクラスの手数料体系、FXの口座と連動し資金の移動が簡単に行えるなど様々な強みがあるのが特徴。
ネット証券NO.1で、かつて手数料最安値レベルだったSBI証券が今や安くない証券会社になってしまっているのはGMOクリック証券が敷く手数料の影響も大きいと考えられます。
そんなGMOクリック証券、具体的にどういった証券会社で、ここを使うことによる明確なメリットとはどんなところなのでしょうか?
GMOクリック証券の現物手数料
GMOクリック証券の特徴の中でも特筆すべきものが業界トップクラスの安さを誇る手数料体系です。
まずは現物手数料を見てみましょう。
手数料プラン | 約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|---|
1約定ごとプラン | ~10万円 | 95円 |
~20万円 | 105円 | |
~50万円 | 260円 | |
~100万円 | 470円 | |
~150万円 | 570円 | |
~3,000万円 | 900円 | |
3,000万円超 | 960円 |
1約定ごとの手数料に関しては業界最安のライブスター証券に比べると若干高いものの、その差は20万円以下で同額、100万円以下でも100円ほどと小幅で、逆に多くの人が使っているSBI証券に比べるとかなりかなり安くなっています。
次に定額プラン
手数料プラン | 約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|---|
1日定額プラン | ~20万円 | 230円 |
~30万円 | 300円 | |
~50万円 | 430円 | |
~100万円 | 860円 | |
~200万円 | 1,260円 | |
~300万円 | 1,660円 | |
300万円超 | 100万円ごとに290円加算 |
こちらもライブスター証券に比べるとやはり若干高いものの、300万円超になるとGMOクリック証券は以降100万円ごとに290円加算なのに対し、ライブスター証券は432円加算と高いので、1日定額プランだと単純計算で500万円を超えるとGMOクリック証券がライブスター証券を逆転し最安値になります。
現物取引ではライブスター証券に一歩及ばず業界2位に甘んじているものの、GMOクリック証券の真価は信用取引にあります。
GMOクリック証券の信用手数料
次に信用取引の手数料を見てみます。
手数料プラン | 約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|---|
1約定ごとプラン | ~500万円 | 100円 |
500万円超 | 0円 |
「500万円まで手数料100円なのに、500万円超になるとなんで0円になるんだよ!」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それにはちゃんとした理由があります。下で詳しく書きますが信用取引はお金を借りて行う取引という性質上毎日金利がかかることになり、約定代金が大きくなると金利も高くなるため手数料が無料なのです。
一方で定額プランを見てみると…
手数料プラン | 約定代金 | 手数料(税込) |
---|---|---|
1日定額プラン | ~10万円 | 100円 |
~50万円 | 210円 | |
~100万円 | 420円 | |
100万円超 | 100万円ごとに315円追加 |
1日定額プランになると1約定ごとの手数料に比べやや高くなる印象があるので、かなりの少額で何度も取引する人以外は素直に1約定ごとのプランを使った方がいいでしょう。
判断基準としては1回の売買代金の平均が16.6万円以下であれば1.5往復で50万円以内に収まるため、定額プランが210円なのに対し1約定ごとプランは300円になるので、この辺を目安にして下さい。
1日1往復しかしないのであれば5万円以下の銘柄でないと定額プランにメリットはなく、1日に片道しか取引をしない場合に至ってはどの金額帯においても定額プランにメリットは一切ありません。
上でも書きましたが、1日の間に少額で複数回取引をする人以外は1約定ごとのプランにしておくべきでしょう。
信用取引の金利や貸株料
投資資金の3倍の取引ができるとあって投資額が限られる個人投資家の多くが利用する信用取引において絶対に忘れてはならないのが金利や貸株料です。
というのも、信用取引はたとえ数秒で往復の売買を完了させるスキャルピングやデイトレードでも1日分の金利がかかることになり、約定代金が大きくなればなるほど金利は馬鹿にできない額になるからです。
GMOクリック証券の強みはライブスター証券に次ぐ手数料の安さ以上に信用取引での金利や貸株料の安さ。
項目 | 信用買い | 信用売り | ||
---|---|---|---|---|
制度 | 一般 | 制度 | 一般 | |
金利 | 2.1% | 3.5% | ― | ― |
貸株料 | ― | 1.10% | ― |
信用取引の大半を占める制度信用取引の金利である年率2.1%はSBI証券の2.8%はもちろん、ライブスター証券の2.3%よりも安く、この金利の安さがGMOクリック証券の最大の強みでもあります。
「現物に対し信用取引が損になる期間」でも書いていますが、GMOクリック証券では手数料や金利を含めた制度信用取引のコストが安く、デイトレードはもちろん数日~数週間保有するような場面で低金利が大きく効いてきます。
信用売りの際の貸株料1.10%に関しても、ライブスター証券と同率、SBI証券より若干ながら安くなっていますので、制度信用取引の金利や貸株料に関しては業界最安値であることは間違いありません。
ただし、一般信用取引の金利3.5%は他の証券会社と比べやや高率であるため、GMOクリック証券は制度信用取引でこそ光る証券会社と認識しておきましょう。
GMOクリック証券の取引ツール
GMOクリック証券の取引ツールはPC用の「スーパーはっちゅう君」、iPhone専用の「iClick株」、そしてAndroid専用の「株roid」に加え、Internet ExplorerやFirefoxなどのブラウザで使用できるLASER TRADE(レーザートレード)など充実しています。
SBI証券のHYPER SBIや楽天証券のマーケットスピードのような原則有料のツールと違いすべて無料で使用できるため、どんな条件での取引においても安心して使っていくことができます。まあHTPER SBIやマーケットスピードも無料で使用できる条件が緩いため“有料”は形骸化していますが。
本格的にデイトレードを行うのであれば株価やチャート、板など様々な情報を複数表示できるデスクトップ用のスーパーはっちゅう君は必須。
あらかじめ口座や株数、有効期限などを設定しておけば、あとは板をダブルクリックやドラッグ&ドロップするだけで発注から取り消し、変更などすべてを行える板注文は1秒が勝負を分けるデイトレードやスキャルピングにおいて絶大な威力を発揮します。
注文時の確認画面を省略すればダブルクリックで即座に注文されるというテンポの良さは素晴らしい。ただそれだけに誤発注も起こりやすくなりますので、その辺は注意が必要になります。
ただ、スーパーはっちゅう君レベルのツールはPCに張り付いてデイトレードを行う人向けのもので、緩めのデイ~スイングトレードであれば完全にオーバースペック。スマホ用のツールでも株価などは1秒ごとに更新されるので十分事足りるでしょう。
あとネーミングセンスが最悪レベルなのは言うまでもない。
GMOクリック証券とIPO(新規公開株)
GMOクリック証券において明確に残念なのがIPO(新規公開株)。
まったく扱っていないわけではないものの、2016年は九州旅客鉄道(JR九州)とエルテスの2件のみ、2015年、2014年の計3件はすべてGMOグループ会社、その前は2008年(1件)まで遡るなどハッキリ言って期待できない。
一応抽選方法はマネックス証券などと同様完全公平抽選になっており資金量に関わらず誰でも当たる可能性がありますので、取り扱いがあった場合はラッキー程度のスタンスで良いと思います。
GMOクリック証券にそれなりのIPO取り扱いがあれば鬼に金棒なんですが…ライブスター証券といい手数料の安い証券会社はIPOに力を入れない傾向なのかな?
FXなどグループ内口座との連動性
GMOクリック証券で株式投資以外にFXや先物取引などを行っている場合、それぞれの取引をひとつのユーザーIDとパスワードで行える「シングル・サインオン」というシステムを有しています。
しかもそれぞれの口座への資金の移動(振替)は無料かつリアルタイムに反映されるので、市況や状況に応じて最適な投資先に対し即座に資金を集めることができます。
株式投資は東京市場が開く9時から15時までの取引となりますが、為替相場は24時間動いていますし、中でもサマータイム時日本時間22:30、平常時23:30に取引が始まる米市場では為替相場が大きく動くため、煩わしさのない迅速な資金移動はチャンスを広げる重要な要素でもあります。
FX(外国為替証拠金取引)においては5年連続取引高世界一と実績、信頼性は申し分ないため、将来的にFXをやってみようと考えている人にとってGMOクリック証券で株式の口座を開設しておくのはベストな選択といえるでしょう。
今口座を開設すると最大3ヶ月間現物手数料無料
現在GMOクリック証券では新規に証券口座を開設すると、口座開設月を含め最大3ヶ月間現物取引手数料が無料になるキャンペーンをおこなっています。
手数料は業界でもトップクラスの安さを誇るGMOクリック証券ですが、取引の回数が増えれば手数料負担も馬鹿にならないため、こういった措置は非常に嬉しいところ。
初心者の方であれば手数料無料期間に株式投資のコツを掴みつつ、デイトレードやより大きな額での取引をしたいと感じるようなら信用取引口座の開設を検討すればいいですし、経験者の方でしたら無料期間を最大限利用し利益を積み上げることもできるはず。
ネット証券の2強であるSBI証券や楽天証券を使っている方も多いと思いと思われ、私自身どちらにも口座を持っていますが、かつて業界最安値の手数料争っていたこの2社も今となってはあまり安くない証券会社になってしまったため私はGMOクリック証券に口座を開設し、現在SBI証券はIPO専用口座になっています。
今は手数料3ヶ月無料キャンペーンもありますので、とりあえず無料の期間使ってみて使い勝手を確認してみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい関連記事
信用取引は現物取引に比べ圧倒的に安い手数料が魅力のひとつです。しかし毎日金利や貸株料がかかるというデメリットもあり、「何日くらい保有すると現物より高くつくんだろう?」と考えたことはありませんか?その疑問に応えるべくいくつかのパターンで計算してみました…続きを読む
いざ投資をはじめようとした時「株にするかFXにするか」で迷う人は多いと思います。FXと株式投資どちらが儲かるかは人によって、もしくは投資法によって変わりますが、これらの特徴やメリットデメリットを詳しく解説しますので今後の投資に活かしてください…続きを読む
株価というのは良い材料が出れば上がり、悪い材料が出れば下がるとされています。しかし実際は全体の地合いやトレンドがものをいい、どんなに業績が良くても地合いが悪かったりトレンドが下降気味だったら株価は下がり、逆に業績が悪くても地合いが良ければ株価が上がる…続きを読む
株主優待をリスクなく貰う方法としていわゆる「優待タダ取り」というものがあります。厳密には手数料や貸株料がかかるためタダにはならないものの、銘柄を選べばかなりお得になります。しかし色々と注意点やデメリットもありますので損をしないための具体的な説明をしていきます…続きを読む
信用取引の場合2013年1月から差金決済が解禁され同一資金でいくらでも取引できるようになりましたが、現物取引の場合は差金決済が禁止されており同日中の同一資金による同一銘柄の取引は1往復までしか行えません。分かりやすく詳しい仕組みを見てみましょう…続きを読む
委託証拠金が不足し追証が発生しつつも、それを無視し期限を過ぎてしまったらどうなるのか?私自身が経験した追証から建玉を損切りしたものの結局信用取引を停止され、その後信用取引口座継続の意思確認を経て信用口座が復活した経緯を書きます…続きを読む
割安感を測る指標としてPER(株価収益率)は投資判断でよく用いられ、一般的に数字が低ければ「割安」とされますが、“マイナス”のPERはどうなのでしょうか?これは前期や今期予想などが赤字の場合に見られ、指標として意味を成しませんがV字回復への期待を込めて買うという方法も…続きを読む
株式投資とギャンブルの違いは胴元がいるかどうかもそうですが、やった後に何も残らないギャンブルと違い投資を始めると経済に敏感になり、結果経済の勉強になりますし、世界の人々が集う市場に参加するというのは閉鎖的なギャンブルの世界とは全く別物です…続きを読む