IPO取扱で証券会社を徹底比較
当たれば高確率で儲かるIPO
IPO(新規公開株)は新たに株式市場に上場する企業の株式を購入するもので、上場時の初値の多くはIPOの際に購入する公募価格より騰がることが多いため非常に人気のある商品となっています。
それだけにIPOには多くの申し込みがあり、大幅に上昇することが確実な人気の銘柄ともなると当選倍率は凄まじいものとなり、一種の宝くじ化している感すらあります。
そんなIPOの当選確率を高めるためには多くの証券会社に口座を開設するのが基本となるものの、大半の証券会社は抽選時に購入できるだけの資金が必要となるため投資資金の限られる個人投資家はより当たりやすい証券会社を吟味する必要があります。
証券会社によってIPOの取扱数はもちろん抽選のルールも大きく異なるため、そういったものを総合してどの証券会社がおすすめか徹底的に比較してみましょう。
証券会社のIPO取扱数
IPOに応募する証券会社を選ぶ際、まず重要になるのが「どれだけの数のIPOを取り扱っているか?」になります。
ネットでIPO抽選の申し込みをできる証券会社のここ10年の取扱数を見てみましょう。
2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | 2009 | 2008 | 2007 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SBI証券 | 76 | 82 | 65 | 44 | 38 | 26 | 13 | 10 | 27 | 73 |
楽天証券 | 8 | 10 | 2 | 2 | 6 | 15 | 3 | 5 | 20 | 21 |
マネックス証券 | 46 | 52 | 39 | 34 | 16 | 9 | 9 | 6 | 11 | 47 |
SMBC日興証券 | 65 | 72 | 54 | 37 | 27 | 27 | 15 | 9 | 22 | 35 |
大和証券 | 36 | 39 | 46 | 19 | 26 | 19 | 11 | 7 | 26 | 60 |
松井証券 | 11 | 16 | 5 | 2 | 11 | 14 | 7 | 8 | 25 | 23 |
カブドットコム証券 | 20 | 18 | 19 | 16 | 24 | 18 | 16 | 11 | 37 | 74 |
岩井コスモ証券 | 26 | 36 | 23 | 23 | 7 | 2 | 0 | 0 | 3 | 8 |
岡三オンライン証券 | 6 | 10 | 10 | 1 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
GMOクリック証券 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 |
ライブスター証券 | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
数の上ではSBI証券が圧倒的で、これはネット証券に限らず大和証券やSMBC日興証券など大手証券会社も含め最多となっています。
ただ、後で詳しく書きますがSBI証券は取扱数や主幹事が多い一方で抽選のルールは資金が多いほど有利になっており、口座数や資金量豊富なライバルの多さから数百万円程度の資金では厳しくなっています。
次いで取扱数が多いのはマネックス証券で、ここは主幹事はないものの割り当て数の100%がネット抽選に回され、また資金額に関係ない完全平等抽選とあってIPOをやる上で絶対に欠かせない証券会社。
他の証券会社も概ね完全平等抽選で、取扱数が少ないところは口座数も少ない傾向があるので、「取扱数が少ないからスルー」というのはちょっともったいない。
ライブスター証券に関してはこれまでIPOの取り扱いはありませんでしたが、2017年から取り扱いを始めています。どの程度扱うかは未知数ながら今後の期待したいところでもあります。
資金量が少ない人は完全平等抽選の証券会社を
IPOの抽選ルールは大きく2つに分かれています。
- ■資金や取引量が多いほうが有利
- ■資金量に関わらず1人1応募として完全抽選
前者はSBI証券や楽天証券など大手ネット証券がこれにあたり、SBI証券では申込数が多ければ多いほど有利になるシステムになっています。
■資金量がものをいう証券会社
資金や取引量の多さがIPOに与える影響とは具体的には資金が10万円しかなく1,000円の株を100株(1口)しか申し込めない人に比べ、資金1,000万円で10,000株(100口)申し込む人では単純に当選確率は100倍になります。
350万を超える口座数に加えIPOのためにSBI証券に資金を集中させている人も多く、年に数回コンスタントに当選するために必要な資金は5,000万~1億円くらいと言われてます。
楽天証券では過去6ヶ月間に取引で支払った手数料や預かり資産によって倍率が変わるシステムで、6ヶ月間で10万円以上の手数料を支払っていたり預かり資産が1億円以上ある人は通常の5倍の当選確率になります。
ほそぼそと株式投資をしている投資家には無縁の話である。
■完全平等抽選の証券会社
一方で資金量に関係なく、資産が10万円だろうが1億円だろうが1口でも申し込める資金があれば1人1票として平等に抽選してくれる証券会社が多くなっています。
もっとも有名なのがネット証券第3位のマネックス証券で、取扱数の多さも相まって非常に高い人気を誇っています。
具体的には、申込数に応じてではなく申し込んだ投資家一人ひとりに乱数を振り分けた上で平等に抽選するというもの。そのため割当数より応募が多ければ1人が2口(2枚)以上当選することは絶対にありません。
基本的にSBI証券と楽天証券以外はネット抽選分に関し完全平等抽選をおこなっていると思って間違いありあません。
…下世話な話ですが、口座数の少ない証券会社は完全平等抽選にしないと投資家が集まらないという背景があるのかもしれませんね。
割当数の何%がネット抽選に回るかも重要
抽選ルールの陰に隠れがちですが、証券会社に割り当てられた株数のうちどのくらいネット抽選に回されるのかも非常に重要な要素となります。
どういうことかというと、例えば10,000株(100枚)の割当があったとして、100%ネット抽選に回れば100人当選することになりますが、10%しかネット抽選に回らなければ当選人数は10人ということになります。
店舗をいくつも構える対面取引が主体の証券会社では“裁量配分”といって多くの資金で金融商品を買ってくれる上客に優先的に新規公開株を回すのが通例で、そういった証券会社の多くは割当数の10~15%程度しかネット抽選に回りません。
大和証券やSMBC日興証券、みずほ証券といった大手証券会社や岩井コスモ証券などがこれに当たります。
そのため、割当数の少ない平幹事ではよほどの大型案件でもない限り抽選に回るのは数枚~数十枚が関の山で、どうしても当選確率は低い傾向に。
一方、割当の100%が抽選に回るのがマネックス証券やカブドットコム証券、GMOクリック証券などで、幹事入りすればネット配分の少ない証券会社より当選確率は高くなります。
ちなみにSBI証券は35%が抽選に回り、IPOチャレンジポイントでの配分が15%となっています。
IPO当選の基本は数打ちゃ当たるだが…
抽選のルールや割当数、ネット抽選への配分量は証券会社によって異なるものの、本気でIPO当選を目指すなら複数の証券会社に口座を開設するのが基本となります。
私自身10社以上に口座を開設しており、年間数件は当選していることから、当たりやすいところを中心に10社は欲しいところ。
基本的なお金の配分としては、取扱数の少ないところには50万円くらい、マネックス証券など取扱数の多い証券会社には複数の応募も見越して100万円くらい入れておきたいところです。
そして残りの資産は資金量がものをいうSBI証券に…といった感じになるでしょうか。
IPO当選を狙う際最低限開いておくべき口座は…
…この辺になりますので参考にしてみて下さい。
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