ライブスター証券の特徴や手数料
手数料だけじゃないライブスター証券
ネット証券といえばSBI証券と楽天証券の2強状態となっていますが、この2社より遥かに手数料が安く名実ともに業界最安値のライブスター証券(旧アイディーオー証券)をご存じですか?
私が株式投資を始めたころは「アイディーオー証券」という名前で、いまいちパッとしないイメージが先行し気にも留めていませんでした。(失礼)
そもそもその頃はSBI証券と楽天証券の手数料は業界でもトップクラスの安さで、高機能なツールやIPO、信頼性など総合的に考えた場合この2社以外ほとんど選択肢はなかったと記憶しています。
しかしそんな2社も十分な口座数が確保できたからなのか手数料競争から足を洗い、近年は「ぼちぼち安い証券会社」になっている一方で、圧倒的な手数料の安さで存在感を増したのが2011年にアイディーオー証券から社名を変更したライブスター証券。
その手数料の安さから私自身普通の株取引はライブスター証券かGMOクリック証券でしか取引をしなくなってしまったほど。
ライブスター証券はあれもこれもできるというバランスの良い証券会社ではないものの、手数料や豊富な注文方法など株の売買においては圧倒的な強みがありますので、その辺を詳しく見ていきたいと思います。
ライブスター証券の現物手数料体系
とにかくまずはライブスター証券最大の強みである現物手数料を見てみましょう。
手数料プラン | 約定代金 | 手数料 |
---|---|---|
一律(つどつど)プラン (1約定ごとプラン) |
~5万円 | 50円(55円) |
~10万円 | 80円(88円) | |
~20万円 | 97円(106円) | |
~50万円 | 180円(198円) | |
~100万円 | 340円(374円) | |
~150万円 | 400円(440円) | |
~300万円 | 600円(660円) | |
300万円超 | 800円(880円) |
安い。とにかく安い。
10万円以下に関しては松井証券の無料があるので最安値ではないものの、それ以外の売買代金において2020年現在最安値クラスを維持しています。
SBI証券と比べても20万円以下と50万円以下で約100円、100万円以下で約150円違うため、取引量の多い人ほど恩恵が大きくなります。
次に定額プランを見てみます。
手数料プラン | 約定代金 | 手数料 |
---|---|---|
定額(おまとめ)プラン | ~50万円 | 400円(440円) |
~100万円 | 600円(660円) | |
~150万円 | 800円(880円) | |
~200万円 | 1,000円(1,100円) | |
以降100万円超過ごとに | 400円(440円)ずつ増加 |
こちらも概ね最安値。しかし200万円を超過した際100万円ごとに440円が加算されますが、GMOクリック証券の場合これが290円であるため、単純計算で500万円を超えるとライブスター証券が2,420円なのに対しGMOクリック証券が2,240円と逆転し、以降はどんどん差が広がっていってしまうという現象が起きます。
まあ一般的に1日に何度も取引するような場合は現物取引ではなく制度信用取引を用いるのが一般的なので、現物の定額プランを使う人はほとんどいないと思います。
ライブスター証券の信用手数料体系
次に信用取引の手数料ですが…これは0円…つまり無料となっています。
1約定ごとや定額制関係なく、また制度信用取引や一般信用取引、買方売方にかかわらず全て無料。最近は信用取引の手数料を無料にする証券会社が増えており、ライブスター証券もそんな証券会社のひとつとなっています。
「ただほど怖い物はない」なんて印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。もしかしたら手数料が無料になった一方で、金利や貸株料が高くなったのでは…という懸念も。実際私もそうでした。
しかし無料になる前の金利や貸株料と比べてみても変化はなく、純粋に手数料が無料になっただけのようです。
信用取引でデイトレードやスキャルピングをガンガン行う人にって手数料は利益を圧迫する要因だったため、無料化ほど心強いものはないでしょう。
信用取引の金利と貸株料
次に、信用取引において一番のコストになるであろう買建の金利と売建の貸株料について見ていきます。
- ■制度信用取引買建金利:2.30%
- ■制度信用取引貸株料:1.10%
前述した通り信用取引の手数料が無料になったかといって金利や貸株料が高くなったということは一切ありません。
それを物語るように制度信用取引の金利2.30%はSBI証券の2.80%や楽天証券の2.85%に比べかなり低めに設定されています。ちなみに売買代金100万円の買建を行うと、2.30%で1日63円、2.80%で76円になります。
ただ、信用手数料では若干高いGMOクリック証券の金利は2.10%であるため、ある程度の期間保有したり高額な取引を視野に入れるならトータルでGMOのほうが安くなる可能性も。
とはいえ、100万円未満程度のデイトレードから数日間のスイングトレードくらいであればライブスター証券の方が良いでしょう。
ちなみに、ライブスター証券には期限無制限の一般信用取引の取り扱いがありませんでしたが、最近になって買い方のみ扱うようになっています。
その際の買い方金利は2.75%と他の証券会社に比べかなり低め。このあたりはさすがライブスター証券といったところでしょうか。
ただ、一般信用取引で長期間保有すると金利が膨れ上がり利益を圧迫してしまうので、中長期投資を考えているのであれば現物で購入することをおすすめします。
豊富な注文方法は地味ながら大きな強み
私が株式取引を始めたころはほとんどの証券会社で「指値」と「成行」の2つしか注文方法がありませんでしたが、現在どの証券会社でも指値、成行に「逆指値注文」を加えた3つの注文方法が常識になっています。
しかしライブスター証券ではこれらに加え「OCO注文」「IFD注文」「IFDO注文」があり、これが非常に便利なのです。
■OCO注文
指値注文と逆指値注文を同時に発注する注文方法。
どちらかの注文が約定された時点でもう一方の注文はキャンセルされるため、利益確定の売りと損失拡大阻止のための損切りラインを同時に設定したりするのに便利な注文方法です。
■IFD注文
「イフダン注文」とも呼ばれるもので、自分で出した注文が約定すると設定しておいた反対売買の注文が自動的に出されるというもの。
普通なら注文が約定した場合、利益確定の売り注文を出さなければならないものの、IFD注文では例えば250円に買いの指値(親注文)、それが約定した場合255円で売り注文(子注文)といったように設定しておけば、最初の250円が約定した時点で自動的に255円の売り注文を出してくれるのです。
これを使うと日中板を見たり注文を出したりできない状況でもデイトレードが行えるというのが最大の強みになるでしょうか。
ちなみにIFD注文には赤枠のように「値幅指定」というのがあり、これは親注文の約定単価に対して「〇円高い値で注文を出せ」と指定できます。
寄付に成行で注文を出す「寄成」後に約定単価より5円高いところに利益確定の売りを出したいなどの使い方ができ、もっとも値が動きやすい寄り付き直後の値幅取りなどに活躍します。
■IFDO注文
IFD注文は親注文約定後、利益確定の売り注文(子注文)が自動的に出るというものでしたが、「IFDO注文」は親注文約定後にOCO注文が執行されるというちょっとややこしい方法。
親注文が約定した時点で、それに対し設定していた利益確定の売り注文と損切りのための逆指値注文を同時に出し、OCO注文と同様に片方が約定するともう片方は即座にキャンセルされます。
日中板が見れず注文も出せないけど、その日の売買に対し自動的に利益確定と損切りの注文を出したい人向けのもので、確実にデイトレードを成立させたい場合は指値に到達しなかった場合に前場引や後場引に成行注文に切り替わる不成注文もできます。
個人的な話になりますが、私は基本的にほとんど損切りをしないので、IFD注文を出して「買い指値から一定額上がればデイトレードとして売ってもいいよ。でも下がったら放置ね」的なアバウトな注文をよく行います。
…とても褒められたものではありませんが、参考までに。
ライブスター証券のトレードツール
ライブスター証券のトレーディングツールはinternet ExplorerやFirefox、Chromeなどのブラウザ上で使用できる「livestar WEB」、高機能なPC用のダウンロード版「livestar R」、Android、iPhone向けのアプリ「livestar S・S2」があり、すべて無料で使用することができます。
スマホアプリでも株価などは自動更新によりリアルタイムに表示されるので、外出先でも不自由することはほとんどないものの、本格的なデイトレードとなるとPCにダウンロードして使用する高機能ツールlivestar Rが断然おすすめです。
画面の小さいスマホではリアルタイムとはいえ表示できる情報も限られてしまいますが、PCであればチャートや株価、ニュースなど自分の好みにレイアウトしながら同時に表示できるため、秒単位の判断を迫られるデイトレードにおいて真価を発揮します。
また、近年はトレーディングツールの常識になりつつある板注文は重要。
あらかじめ株数や注文形態、失効条件を設定しておけば、あとは板をダブルクリックするだけで即座に注文が可能で、変更や取り消しもドラッグ&ドロップで行えるなど目まぐるしく変わる市況にあわせフレキシブルな対応が可能です。
かつてはトレードツールといえばSBI証券のHYPER SBIや楽天証券のマーケットスピードが隆盛を極めていましたが、近年はどの証券会社のツールも進化し差はなくなってきています。
これらのツールのアドバンテージが無くなり、2社の手数料も最安値とは程遠いレベルになってしまった現在、将来的なことを考えて手数料最安値のライブスター証券に乗り換えツールに慣れておくことが勝利に繋がるのではないでしょうか。
ライブスター証券のIPOは?
これまで業界最安値の手数料を背景に、すでに上場している株式の売買に特化していたライブスター証券はIPO(新規公開株)の取り扱いがありませんでした。
しかし2017年に入り満を持してIPOの取り扱いを開始しています。
条件的には前金不要で当選してから入金すればいいシステムに加え、マネックス証券のように資金量に左右されない完全平等抽選と素晴らしいものですが、まだ始まったばかりなのでどの程度取り扱うかは未知数。
私自身今のところあまり期待してはいませんが、将来的にある程度のIPOを取り扱うようになると手数料最安値も相まって魅力がさらに増すのは間違いありません。
IPOの取り扱いを始めたのが2017年1月で、2020年になった現在も取扱数はそれほど多くありません。しかし裏を返せば穴場という見方もできます。
現状、IPOのためだけにライブスター証券に口座を開設する必要はないと考えられますが、手数料や金利、貸株料の安さから普段は売買で使用し、IPOの取り扱いがあれば応募するというスタンスでよいのではないでしょうか。
ライブスター証券の総評・まとめ
ライブスター証券のメリットはなんといっても業界最安値の手数料体系で、1約定ごとの手数料においては他の追随を許していません。
手数料は取引額が大きくなればなるほど、売買の回数が多ければ多いほどボディーブローのように効いてくるので、ガッツリ取引を行うのであればあるほどライブスター証券を使うべき。
私自身、かつて手数料は業界最安値レベルで取引ツールでも一歩先を行っていたSBI証券と楽天証券を使い分けていましたが、近年は取引に応じて手数料の安いライブスター証券とGMOクリック証券を使用するようになり、SBI証券はIPO専用、楽天証券に至っては放置状態になってしまいました。
IPOについては明らかに弱く一般信用取引の取り扱いはないものの、手数料や制度信用取引の金利においては業界最大手のSBI証券より遥かに安く済みますので、今使っている証券会社の手数料や金利の高さに辟易している人はもちろん、これから株式投資を始める人もぜひ一度ライブスター証券を使ってみて下さい。
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