株式投資とFXってどちらが儲かる?

かつてのFXは誰でも儲けられた時代があった

昔からあり経済の根幹でもある株式投資と、10年ほど前から急激に市場を拡大してきたFX(外国為替証拠金取引)。

もしこれから投資を始めようと考えている方であれば株式投資から始めるかFXから始めるか悩むところで、どちらにも資金を振り分けられるだけのお金があればいいですが、現実的にはそうもいかず「どっちをやろうか?」と思案している方も多いと思います。

ちなみに私は2005年から株式投資を始めたものの成績は振るわず2006年にFXに乗り換えたという経歴を持ちます。

そこから順調に利益を重ねていましたが、2007年のサブプライムローン問題で利益をすべて吐き出し、元本付近まで資産が減ったところで一旦投資から足を洗ったのですが、このサイトを始めることになる2011年から再び株式投資を始めています。

「株とFX、どちらが儲かるか?」という話ですが、少なくとも2007~2008年に起こったサブプライムローン問題やリーマンショック前であれば確実に「FXの方が儲かる」と断言できました。

その大きな理由は3つあり、その1つは当時FXには特に規制は入っておらず、FX業者に振り込んだ資金の何倍まで取引が出来るかの指標であるレバレッジ(てこの作用)は数百倍まで可能であり、極端な話業者によっては100万円の資金で数億円の取引も可能でした。

当然これだけのレバレッジを効かせれば為替が1円~50銭動いただけで100万円の資金が一瞬にして無くなる事も数倍になる事もあり、これを駆使して短期間で凄まじい利益を上げた方がいた一方で、人生が終わってしまった方も多くいたでしょう。

そして当時は日本の金利は0.25%と非常に低金利である一方、アメリカは5.25%、ユーロで4.25%、豪などのオセアニア通貨は7~9%ほどの金利を付けており、円を売って外国通貨を買えばスワップ金利という形で毎日それなりの金利を受け取れるとあって、仮にちょっと円高になって塩漬けとなっても金利を受け取りながらじっくり待てるという安心感もありました。

こういった事もあり円を売って外国通貨を買い運用する「円キャリートレード」が全盛で、サブプライムローン問題までほぼ一方的な円安になっていたので、何も考えなくても円を売っていれば儲ける事ができたのです。

世間でFX長者のニュースが流れ、同時にこういった方々の脱税が大きな問題になったのもこの頃でした。

世界的低金利とレバレッジ規制で魅力が薄くなったFX

しかし2008年に起きたリーマンショックで状況は一変します。

世界的な凄まじい株安と円高によりFXで大きな損失を出し破産する方が急増し、国としても重い腰を上げざるを得ず2010年8月にはレバレッジに規制が入り取引限度は証拠金(資金)の50倍までとなり、翌2011年にはさらに引き下げられ証拠金の25倍までとなり現在に至ります。

これによって短期間での一攫千金は狙いづらくなりましたが、それでも同じような仕組みの株式投資の信用取引が資金のおよそ3倍までの取引しかできない事を考えれば、まだまだ一攫千金を狙えはします。

ただ、リーマンショック前まで日本と諸外国には大きな金利差があり金利差を受け取れるスワップ金利も大きなものでしたが、リーマンショック後はどの国も急激に政策金利を引き下げており、アメリカやユーロ圏といった先進国では日本と同等のほぞゼロ金利であり、「スワップ金利でうま~」の時代は終わりを告げています。

加えて金利差が縮小した事で円キャリートレードも廃れ一方的な円安は終わりましたが、日本では2012年11月の安倍政権発足から「アベノミクス」として円安インフレ誘導が行われ急激に円安に振れました。

この頃にFXをやっていればまだ大きな利益を出せたかもしれませんが、その円安も125円を頂点にしばらく120円前後の動きが続いており、中国の失速やアメリカの利上げ時期などによって円安に動くか円高に動くか予想しづらくなっています。

一方で株式投資はどうか?

FXに対し株式投資の優位性は配当と株主優待

株式もアベノミクスで20,000円超まで上昇し、高値警戒感もあって若干買いづらい状況となっています。

「2020年の東京五輪までは上昇する」なんて意見も多いですが、世界情勢は予断を許さず個人的にはこういった意見は無責任と感じざるを得ません。

つまり為替相場も株式相場も停滞期に入ってきており、ここからどちらに動くかはプロですら意見の割れるところなのです。

現在のFXが株式投資に対してアドバンテージとなるのは、差が縮まったとはいえオーストラリアやニュージーランドといったオセアニアの通貨やトルコや南アフリカといった新興国では日本より金利が高くスワップ金利が期待できるところでしょうか。

一方で株式投資のアドバンテージは現物での保有であれば配当や株主優待が受けられる事で、またFXはお金を借りて取引する証拠金取引のため毎日金利を取られますが、株式の現物取引であればはじめの微々たる手数料のみで後は一切お金はかかりません。

ここで各々のメリットデメリットを挙げます。

  • ○FXのメリット

  • ■証拠金(資金)の25倍まで取引が可能
  • ■オセアニア通貨や新興国通貨なら今でも毎日それなりのスワップ金利が受け取れる
  • ■平日であれば24時間取引が可能

  • ○FXのデメリット

  • ■お金を借りて取引する証拠金取引のため毎日金利がかかる
  • ■取引する通貨によっては金利差から毎日スワップ金利を支払う(マイナススワップ)
  • ■株式以上に様々な要因で相場が動くため予想が難しい
  • ■平日であれば24時間市場が動いている

  • ○株式投資のメリット

  • ■現物取引であれば配当と株主優待を受けられる
  • ■現物取引であれば売買時の微々たる手数料以外お金がかからない
  • ■銘柄ごとのクセを熟知すればある程度稼ぎやすくなる
  • ■毎日取引時間が決まっている(前場9時~11時30分 後場12時30分~15時)

  • ○株式投資のデメリット

  • ■信用取引を使っても資金の3倍程度しか取引ができない
  • ■制度信用取引であれば保有は最長6ヶ月までと決まっている
  • ■毎日取引時間が決まっている(前場9時~11時30分 後場12時30分~15時)

なぜFXと株式投資双方のメリットデメリットに取引時間が入っているかというと、FXの24時間取引や株式投資の短い取引時間は人によってメリットにもデメリットにもなるからです。

そして上記のメリットデメリットで少し触れていますが、為替相場を動かす要因は膨大で非常に読みづらく、それに比べれば個別の銘柄があり銘柄によって値動きに若干のクセがある株式の方が読みやすくはあります。

私個人の経験で言えば、FXの24時間取引は常に市場の動きが気になってしまい遊んでいても寝ていても頭の片隅で相場の事を気にしており疲れてしまうので、取引時間は決まっていた方が楽です。

そして「FXと株、どちらが儲かるか?」の結論ですが、より大きなリスクとリターンで短期間の一攫千金を狙うならFX、長い目で見た長期投資や銘柄ごとのクセを見切りテクニカルを駆使し短期売買を繰り返すのであれば株式投資となるでしょうか。

あくまでも個人的な見解なので、これを参考に自分に合った投資を見つけて下さい。

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