投機がもたらす悪影響
さて、ここまで2ページに渡って投機の必要性を考え、書いてきましたが、そろそろ投機の悪い面を書きましょう。
投資や経済にとって投機は必要悪ながら切っても切れない関係にあるのは前のページでも書きましたが、弊害も多く、その最たるものが相場の高騰です。
近年ニュースなどでも話題となっておりますが、特によく聞くのが「原油相場」と「穀物相場」での値段高騰だと思います。
本来需給のバランスで決まるはずの値が、投機を目的としたお金の大量流入で需給を超えた暴騰を見せています。
これはガソリン価格の高騰、電気料金、ガス料金などの値上がり、原材料価格の高騰による様々な商品の値上がりとなって私達庶民に降りかかってくるのですが、特に打撃が大きいのが発展途上国や新興国です。
発展途上国や新興国は先進国に比べインフレが激しい場合が多く、そこに原油高や穀物高が直撃するとインフレは加速し収拾の付かない状況に陥ります。
ただ、この原油高は発展途上国や新興国の旺盛な需要を見込んでという側面もありますし、なにより投機も需要という考え方もできますので、そう単純な問題ではなさそうです。
そして穀物高も人口の多いインドや中国などの新興国の需要を見込んでのものや、原油依存を少なくしようとバイオ燃料に注目が集まっているからであり、やはり難しい問題です。
単純に考えれば世界の人口は爆発的に増えているので、原油需要、食物需要は増える一方でしょうし、特に埋蔵量の限られる原油の高騰は仕方ない側面もあります。
しかし、もし商品先物という投機のシステムが無く単純に需給のバランスのみで価格が決まっていたら、今現在の価格はどうなっているのか気になる所です。
儲けしか考えていない投機マネーが無くなれば、安くはなっても少なくとも今の価格より上がる事はないでしょう。
「投機」は市場、相場の必要悪ではありますが、今の金融緩和による金余りで投機マネーは膨らみ、様々な市場に流れ込んでおり、いい加減規制が必要な時期にさしかかっていると思う。
ほんの一部の金持ちや機関投資家の利益のために普通に暮らしている人々が苦汁を舐めるというのはどうも納得がいかない。
まあそんな事をしたら、まず中東の何の能も無いくせに棚ぼたの原油で大金持ちになった無能連中が黙ってはいないでしょうけどね。
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