TOPIXコア30と相性の良いダウの犬
前回までは主にダウの犬の都合のよい検証結果に疑問を投げかける内容を書いてきましたが、ひとつの投資法として単純に「ダウの犬の市場での有効性」という面では十分に実用に耐えるものだと感じています。
前のページでは1996年からのNYダウ平均とダウの犬の成績を比べたものを掲載し、ここではダウの犬に不利なデータが出ていましたが、日本の市場ではどうなのでしょう?
これは本家ダウの犬と同様にTOPIXコア30の30銘柄の内、配当利回りの高い10銘柄を選出したもので、前ページで取り上げたではNYダウ平均とダウの犬でのダウの犬の“勝率”は5勝11敗でしたが、日本版のダウの犬は13勝3敗と、抜群の成績を残している。
まあこの結果の理由には、「この検証で選ばれた高配当利回りの企業の半数以上が銀行、医療品、公益企業といったディフェンシブ銘柄であったため、全体的な相場が大きく崩れるような状況でも比較的安定していた」という面が大きいのですが、こういったディフェンシブ銘柄が多く含まれるというのは日本市場の特徴でもあり、市場が不安定な時ほど日本版ダウの犬が力を発揮するとも考えられます。
それは裏を返せば市場が好調な時は相対的にパフォーマンスが劣る事も意味していますが。
2ページ前に取り上げた「1992年12月~2006年12月までの15年間でTOPIXが2.5%しか上昇しなかったにも関わらず、TOPIXコア30から配当利回り上位5銘柄を選んで保有し続けた結果、15年間のリターンが214%になった」という検証。
この「バブル崩壊後の暴落の底値~サブプライムローン問題前の株価絶頂期まで」という、いかにも結果論ありきの期間選出は極めて気に入らないが、この検証では「配当利回りの高い銘柄を保有しておけば、株価が変わらなくても大きな利益を生み出せる」という事を改めて証明している。
それらを踏まえて、ダウの犬をどう運用すれば一番効率が良いのか?
次のページで私なりに徹底的に検証してみます。
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