格付け会社はインサイダー取引し放題?

投資をやっているとよく見聞きする「格付け会社」。

有名なところだとアメリカの格付け会社であるムーディーズ・インベスターズ・サービスやスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、イギリスやアメリカに本拠を置く「フィッチ・レーティングス」あたりでしょうか。

株式にしろ為替にしろ国債にしろ、これら格付け会社が行う格付けに敏感に反応し、場合によっては大きく乱高下する事もあり格付け会社の影響力の強さが伺えます。

気になるのは「相場を動かせるくらいの大きな影響力を持っているなら、事前に株式や為替などを売買しておけば相当な利益が出るのではないか?」という点で、端的に言ってしまうと「格付け会社ってインサイダーでボロ儲けしてるんじゃない?」という事。

ちなみに「インサイダー取引」とは投資家が投資判断に影響を及ぼすような大きな情報を公表前に知りえる立場の人間が事前に株式などの取引を行うことで、例えば自分の会社が業績の上方修正を行うという情報の公表前に株をコッソリ買っておく…というようなものです。

格付け会社は株式や国債などの格付けを行うのが業務なので、内部である程度の地位にある人間であればインサイダー取引し放題な気がするというのは投資家であれば誰もが感じている事ではないでしょうか。

一応どこの格付け会社でも格付けを決定する格付け委員会が終了したら迅速に公表する事になっており、またそれを公表する発行体も事前に情報を入手できるという立場上時間の猶予は与えられておらず、これらはひとえにインサイダー取引を防止するための措置です。

ではこれらの対策でインサイダー取引を完全に防止できるか?…と問われればNOと答えざるを得ません。

公平性や情報の流出を防ぐために格付けを決定する格付け委員会に多くの外部アナリストを招聘しているとしても、結論は分からずともその委員会で審議される銘柄や国というものを事前に知っている人間が絶対にいるはずですし、「格上げ」「格下げ」になる可能性が高いかどうかも分かっているはず。

「格付け委員会終了後速やかに公表」と言われても何とも曖昧な話で、格付け委員会をテレビ中継でもしているならまだしも、密室で行われている以上「どの程度迅速に公表しているか」なんて外部の人間には知りえない。

こういった状況から見て、どうしても「格付け会社」と「インサイダー」を疑ってしまうのですが、当然ながらこれらの情報はいくら調べてみても出てこない。

ただ2011年8月にS&Pのインサイダー疑惑で米証券取引委員会が調査するという事態が起こっており、この辺を次のページでさらに突っ込んでみます。

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