投資スタイルで証券会社を選ぶ
どんな目的で投資するかは人それぞれ
株式投資を始めようと考えている方は沢山いると思いますが、どういったスタイルで投資をするかは人それぞれで、デイトレードやスイングトレードのような短期売買から配当や株主優待が主な目的の中長期トレード、IPOメインなど様々だと思います。
ここでは証券会社ごとにどういった投資スタイルが合うのか簡単に、かつ主観を交えながらかなりぶっちゃけてズケズケ説明していきます。
例えば投資の基本である中長期の取引がメインである場合、取引量自体少ないのでそれほど手数料にこだわる必要はなく、それよりも情報の豊富さや分析のしやすさ、証券会社の信頼性などを重要視するべきといった感じ。
ではどの証券会社がどういった投資スタイルに合っているか見てみましょう。
■SBI証券
≪デイトレード・スイングトレード・中長期・夜間取引・IPO≫
手数料が比較的安く、チャート分析や企業の情報も豊富な万能型証券会社で「ちょっと短期トレードをやってみようかな」といった場合でも十二分に対応できる。ネット証券の不動のNO.1で、信頼性も抜群。
IPO取扱数はネット証券はもちろん全証券会社の中でもNO.1なのでIPO狙いの人はここの口座は必須だが、資金量がものをいう抽選ルールのため年数回程度コンスタントに当選するには最低でも数千万円は必要。
現在夜間取引(PTS取引)が出来るのはSBI証券のみなので、昼間取引できない方にもオススメ。ただPTS取引はあまり活発に行われておらず流動性は低い。
■楽天証券
≪デイトレード・スイングトレード・中長期・夜間取引≫
SBI証券同様、短期から長期まで対応できる手数料の安さと使いやすさ、信頼性を兼ね備えた証券会社で、チャート分析ならSBI証券より楽天証券がオススメ。ネット証券NO.2なので、そういった意味でも安心。
ただ、現物取引の1約定ごと手数料はSBI証券と同じだが信用取引手数料はSBIに比べやや高めで、1日定額制は現物・信用共に高くて使い物にならない。
ただ、デイトレードに特化した当日期限の「いちにち信用取引」は手数料完全無料、1約定代金300万円以上で金利や貸株料も無料になる素晴らしいシステムのため、デイトレードに徹することができるなら絶対におすすめ。ちなみにこのシステムは松井証券からパク…インスピレーションを受けてできたシステムと推測される。
IPOはあまり期待できない。
■マネックス証券
≪中長期・IPO≫
昔からマネックス証券は手数料が高いイメージだったが、それは今もあまり変わらないため頻繁に取引する人にはあまり向かない。
一応マネックスグループは東証一部上場企業で信頼性は抜群であるため、やるとしたら中長期目的か。
ただIPOに関しては取扱数が多く割当の100%がネット抽選に回され、しかも資金量に左右されない完全平等抽選であるため、IPO狙いの人はここに口座を持っていないと始まらない。
■松井証券
≪デイトレード・中長期≫
1約定ごとの手数料プランがないという変わった手数料体系を敷いており、現物・信用問わず1日定額制しかない。
基本的に手数料は安くないが1日の取引額が10万円以下では無料なので、少額の取引しかしない人にはおすすめ。
また、当日期限の「一日信用取引」は当日中に決済を確実に行えば手数料は完全無料、1約定の約定代金が300万円を超えると金利や貸株料も無料になるという楽天証券の「いちにち信用取引」と同じシステムがあるため、デイトレードに徹することができるなら非常におすすめ。楽天証券がパク…真似た取引法で松井証券が先発。
IPOの取り扱いは多くないが、大半は裏幹事で応募は少なく割当があれば狙い目。
■カブドットコム証券
≪中長期、IPO≫
口座数が100万を超える主要ネット証券の中ではやや影が薄い中あのCMの唄だけは抜群の知名度を誇っている。近年は某ジャニーズタレントが歌っていたりいなかったり。
何となく自動売買っぽい事を可能にする豊富な注文方法が魅力だが、手数料の高さは如何ともしがたい。
IPOの取扱数は多くも少なくもないレベルだが、完全平等抽選であるためIPO当選を狙っているなら口座を開設しておいて損はない。
■岡三オンライン証券
≪デイトレード・中長期≫
かつてライブスター証券と手数料争いをしていたが、いつの間にか値上げして全然安くない証券会社になってしまった。
400万円を超える信用取引の1日定額制ではSBI証券より安くなるなど見どころもあるが、全体的に見るとわざわざここを使う理由はあまりない。
ただトレードツールである岡三ネットトレーダーはそのバカみたいな情報量からやたらと評価が高く、楽天証券のマーケットスピードやSBI証券のHYPER SBIを上回るほど。
マルチディスプレイなどでデイトレードしている人は岡三ネットトレーダーで様々な情報や値動きを仕入れつつ、手数料の安い証券会社のツールで注文をするという方法もあり。松井証券や楽天証券のツールで一日信用取引を使いながら…というのが鉄板か。
■ライブスター証券
≪デイトレード・スイングトレード・中長期≫
業界最安値の手数料は伊達ではなく、1約定ごとの手数料なら現物・信用問わずほぼ業界最安値と言っていい個人投資家の味方。
企業のチャートや株価・業績などファンダメンタルズ・テクニカルの情報は他の証券会社でいくらでも見ることができるので、単純に取引のためだけの証券会社として使うのが正しい使用方法。
デイトレード専門なら松井証券や楽天証券の一日信用取引を使えばいいが、スイングや中長期を見越しての取引なら絶対的な手数料の安さを誇るライブスター証券で十分。
OCO注文やIFD注文なども使え信用取引の金利も買建で2.30%と安いため、情報はSBI証券のホームページやHYPER SBIで仕入れ、注文はライブスター証券というのが最近の私のやり方。
■GMOクリック証券
≪デイトレード・スイングトレード・中長期≫
業界最安値レベルの証券会社で、1約定ごとの手数料ではライブスター証券に次ぐ2番手に甘んじるも、信用取引の1日定額制ではNO.1。しかも制度信用取引の買方金利2.10%はネット証券でもっとも低金利であるため、他の証券会社に比べれば持ち越しの際の金利の心配も少なくて済む。
信用取引手数料は最安のライブスター証券と比べ14円の差なので、建玉を持ち越すことも想定しているならGMOクリック証券のほうがコストがかからない。
でも現状手数料以外に特筆すべき点は無いから、純粋な取引専門の証券会社として割り切るべきか。
■岩井コスモ証券
≪中長期・IPO≫
手数料に現物・信用の垣根がなく取引できるものの1約定ごとの手数料は500万円単位で区切られており、個人投資家にとっては使いづらい。
定額制は一転して10万円単位で細かく区切られ、現物取引の1日定額プランとして見ればかなり割安ながら、信用取引で見ると微妙なところ。
IPOは対面取引を主とする証券会社とあってネット抽選に回る枚数は少ないながら取扱数は比較的多く、また口座数は多くないと推測されることからIPOの穴場として密かに人気の証券会社でもある。
すべてを兼ね備える証券会社はない
個人的な主観がかなり入ってしまいましたがいかがだったでしょうか。
それぞれの証券会社にはメリットデメリットがあり、「これひとつですべてをまかなえる証券会社」というのは基本的にありません。
あえて言うならそれに一番近いのがSBI証券ですが、手数料は安めながら最安ではなく、楽天証券や松井証券のようにデイトレードに特化したプランがあるわけでもなく、IPOも資金が少ないと歯牙にもかけられない仕様で、トヨタのような80点主義が垣間見える。
デイトレードでできる限り手数料を抑えたいなら前述の松井証券や楽天証券になりますし、資金が少ない人がIPO当選を狙うならSBI証券を含めマネックス証券やカブドットコム証券など複数の証券会社への口座開設が必須になります。
中長期投資なら取引の頻度は少ないため多少手数料の高いところでも気にならないかもしれませんが、株はどこの証券会社で買っても商品価値に変わりはありませんので、それなら手数料が安いところで十分という考え方もできます。
何を重視して株取引を行うかは人それぞれなので、このページを参考に自分に合った証券会社を見つけていただければ幸いです。
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