中長期トレードの特徴とメリットデメリット

株式投資には大雑把に短期取引と中長期取引に分けられ、中長期トレードとは読んで字の如く株をある程度長く保有する投資法のことを指します。

最も一般的かつ大半の投資家が行っている取引であり、短期売買に属するスイングトレードデイトレードと違い「株式投資」という言葉通り“会社に投資する”という意味合いが強い特徴も。

中長期トレードとは具体的にどういったもので、どういったメリットがあるのか?また、どういった投資家に向く投資法なのかなど、中長期取引の気になる点を詳しく解説していきます。

中長期トレードの期間は?

そもそも中長期トレード(中長期取引)とはどういったものなのか?

名前を聞くだけで「中長期の保有を目的とした取引なんだな」というのは理解できると思います。しかし“中長期”という表現は何とも曖昧ですよね。

「中長期」の受け止め方は2つ。中期と長期を併せた期間を指しているという考え方と、中期と長期の中間という考え方。これまた微妙なところですよね。投資用語の観点から見ると個人的には前者のほうがしっくるくる印象なんですけどね。

実はこれらに明確な定義はないのが実情。中長期を1ヶ月〜5年と定義する人間もいれば、6ヶ月〜1年ほどと考える人もいます。つまり人それぞれ感じ方が違う大雑把なもの。

あくまでも個人的な定義と前置きした上で、中長期の期間は以下のようになります。

期間
中期トレード 1ヶ月〜6ヶ月
長期トレード 6ヶ月〜10年
中長期トレード 1ヶ月〜10年

一般的に「中期」といえば3〜5年程度を指す場合が多いようですが、投資の世界においてはこれは当てはまりません。一般的に数ヶ月〜2年程度を示す「短期」も、投資の世界では秒単位だったりしますからね。

ただ、この1ヶ月〜10年というのは、中期と長期を併せた場合のもので、中長期を中期と長期の間と考えるのであれば、6ヶ月〜1年くらいとするのが妥当か。

いずれにせよ3ヶ月であろうが5年であろうが中長期取引であることに変わりはないため、期間に関しては非常に曖昧であることは間違いない。

中長期トレードのメリット

期間についてはやや曖昧ながら、比較的長い期間株式を保有するのが中長期トレード。ではその取引の具体的なメリットは何なのか?ひとつずつ見ていきます。

毎日の値動きに敏感にならずに済む

何を最大のメリットとするかは人それぞれですが、短期売買から中長期取引まで幅広く行った身としては毎日の値動きに敏感にならずに済む点を挙げたい。

短期トレードだと毎日…より短期だと数分、数秒の値動きに敏感に反応しなければならないが、中長期トレードならそこまで神経質になる必要はない。買ってから多少下がっても気長に構えてればいいというのは精神衛生上非常によろしい。

デイトレードやスイングトレードを行ったことがある人であれば分かると思いますが、こういった短期売買は非常に疲れます。神経をすり減らしながら取引をしている印象。

それである程度大きな利益が出るのであればまだしも、個人投資家の多くは負けている現実を見るに、はっきりいって割に合わない。

その点、中長期トレードは短期的な結果を求めない分、含み損に対する許容度は大きいといえます。「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があるように、相場の底や天井で売買することは現実的に難しい点から考えても理に適っているといっていいでしょう。

仮に購入した銘柄の企業の経営状態が悪化したり世間の経済情勢の悪化により株価が下落したりしても、現物買いであれば会社が倒産しない限り1年でも3年でも5年でも値が戻るまで待っていられるのは大きな強み。

ただし、6ヶ月という期限がある制度信用取引ではそうもいかないですし、期限がない一般信用取引の場合は毎日金利がかかるという大きなデメリットがあるため、中長期投資は現物取引で行うようにしましょう。

インカムゲインの存在

一般的に中長期トレードの最大のメリットといえば、やはり配当や株主優待などのインカムゲインが得られることではないでしょうか。

短期売買は損をする人と得をする人の損益が±0になるゼロサムゲームという側面が強いが、配当や株主優待が期待できる中長期投資は、仮に株価が変わらないとして利益を上げることができる、まさに投資の本質。

もちろん短期トレードでも権利付き最終日や権利落ち日を上手く使えばインカムゲインは狙えるが、権利落ち日の値下がりなどで逆に損をすることもあるから難しい。

そういった点からも、中長期トレードの“一日の値動きに一喜一憂する必要はない”というのが生きてくるかと。

手数料がほとんどかからない

昔に比べ株式取引にかかる手数料というのはずいぶんと安くなりました。とはいえ頻繁に取引すれば馬鹿にならないのも確かです。

それが特に顕著なのは、1日に数回、数十回と取引を繰り返すデイトレードやスキャルピング。数多くの取引により小さな利益を積み重ねるという性質上、手数料が利益を圧迫するのは想像に難くないでしょう。

その点、中長期トレードは手数料が利益を圧迫することはほとんどない。売買手数料が安くなっている現状では往復売買でも数百円程度で済むでしょう。

ただ、近年は低額の制度信用取引の売買手数料が無料という証券会社も散見されるようになり、短期売買もかつてのように手数料に悩まされることは減ったことも付け加えておきます。

中長期トレードのデメリット

色々とメリットが多い中長期トレードですが、当然ながらデメリットも存在します。それについても触れておきましょう。

利益が少ない

中長期トレードのデメリットといえば、一にも二にも短期トレードに比べて儲けが少ないことに尽きる。

株式投資に一獲千金を夢見ている投資家は多く、そういった人にとって中長期トレードは物足りないのではないでしょうか。それもそのはず、中長期取引は年間20〜30%の利益が出れば御の字ですからね。

デイトレードで100万円を短期間で1億円超にしたという、若干胡散臭い成功談がそこかしこに転がっている状況において、それが120万円になったところで満足しないかもしれません。

ただ、これはあくまでも短期トレードでしっかりと利益を上げられる事が前提の話で、実際そういった人間はほんの一握りしかいないというのが実情。そう、多くの凡人投資家にとって中長期トレードはむしろ余計な損失機会が減るというメリットにも。

スリルや緊張感を味わえない

株式投資をはじめる人の中には、パチンコや競馬といったギャンブルの延長線上という認識の人がいます。ギャンブルと違い胴元がいない分勝率は高くなりますし、デイトレードのヒリヒリするようなスリルと臨場感に魅せられることもあるでしょう。

そういった人にとって中長期トレードは退屈と感じるかもしれません。

株式投資にスリルや緊張感を求めるのであれば、素直に短期売買を行うべき。それによってほとんどの個人投資家は“退場”に追い込まれるが、そこは自己責任。好きなだけスリルを味わい、そして身ぐるみはがされるといいだろう。

もちろん、そういった人の中のほんの一握りは短期で大儲けできる天才である可能性も否定できない。結局はやってみないと分からないということですね。

ただ、ほとんどの個人投資家は凡人です。短期売買の緊張感に疲れ、膨れ上がる損失によってボロボロになった場合は、気分を切り替えて中長期トレードを行ってみてはいかがでしょうか。

中長期取引が向く投資家とは?

色々なメリットデメリットがある中長期トレードですが、この投資法が向くのはどういった投資家なのでしょうか?

結論から書くと、すべての投資家になります。

デイトレードなどの短期売買は高いセンスと嗅覚、そして綿密かつ大胆なテクニカル分析と売買が必要になりますが、中長期投資であればそれほど厳密なものは必要ありません。ぶっちゃけタイミングさえよければ何買っても儲かる。

もちろん、最低限の分析力や知識はあるに越したことはありませんが、異常なバブル相場でもない限り当初は含み損が膨らんでも、購入して何年か待てば多くの場合株価は戻るし、配当や株主優待で損失を埋められます。

そう、個人投資家がプロの投資家に唯一勝る点は期間に制限がないこと…つまりいくらでも時間をかけることができることに他ならないのですから。

とはいえ、個人投資家の大半が負けているのも事実。

比較的安全な中長期トレードとはいえ、投資の知識やファンダメンタルズ分析、テクニカル分析、世界情勢の予測など、ある程度の勉強が必要になるのは言うまでもありません。ダメな企業の株を掴まされたら、勝てるものも勝てないからね。

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