支持線と抵抗線の活用2
前ページでは主にトレンドラインやチャネルラインを用いた支持線、抵抗線について書いてきましたが、今度は移動平均線を用いた支持線、抵抗線について書いていきます。
移動平均線を使った支持線、抵抗線の場合、トレンドラインやチャネルラインのように自分で線を引く必要が無く、証券会社などで提供されている簡易なチャートだけで運用できるというメリットがあります。
上記は日足のチャートで、黄緑の線は25日移動平均線です。
この図では25日移動平均線が上値抵抗線として機能している場面が多くなっております。
次は下値支持線で、上図は見事なまでに支持線の機能を果たしております。
ここで気になるのが何日の移動平均線を使えば良いのか?…という点でしょうか。
移動平均線を支持線、抵抗線として使う場合は長期移動平均線を使うのが一般的で、日足のチャートなら25日、75日、200日あたりです。
その3種類の中でも一番使われているのが25日移動平均線で、移動平均線を用いたテクニカル分析でも5日と25日の移動平均線が多く用いられている事を考えれば、まあ妥当でしょう。
75日や200日の移動平均線を用いる場合は長期的にどうこうというより、「25日移動平均線を抜けて、次の目安は75日移動平均線なる」といったような、短期的な支持、抵抗の目標を探る時に使う場合が多い印象を受けます。
もうひとつ気になるのは「トレンドラインを用いたものに比べて信頼性はどうか?」という点ですが、こればっかりはケースバイケースで何とも言えません。
何となく「トレンドラインは自分で引くという手間がかかる分信頼性は高い」というイメージはありますが、移動平均線にはゴールデンクロス、デッドクロスという長期移動平均線を上(下)抜く時の有名な呼び方があり、これは「長期移動平均線を抜けるには力が要る事を示しており、裏を返せば長期移動平均線の支持線、抵抗線としての機能が確立されている」となります。
トレンドラインやチャネルラインでも移動平均線でも「同じ線が支持線、抵抗線として機能し続けている期間が長ければ長いほど信頼性は増す」という特徴があります。
それだけに一度ブレイクすれば大きく動く事にも繋がりますので、長い間支持線や抵抗線に阻まれている相場の場合はブレイクのタイミングを注意深く見ておくといいでしょう。
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