トレンドラインの使い方
前回は上昇トレンドと下降トレンドでの単純なトレンドラインの引き方を説明しましたが、今回はもうちょっと踏み込み、一つのチャートで複数のトレンドラインの引き方やチャネルラインなどを解説していきます。
投資をやる上での理想は安定した上昇トレンドが続くことですが、実際の相場は神経質に動くことも多く、そういった相場に対応するためにもトレンドラインを使い相場の流れを読み取ることが重要になります。
相場の転換点ブレイクポイント
相場のトレンドを読み取り、上値や下値のメドを探る場合に役立つトレンドラインですが、もうひとつ重要な使い方があります。
それは相場の転換点を探ること。
上図のように相場は小さな波を繰り返しながら大きな波を形成しており、その小さな波から相場のトレンド(傾向)を読み取るためにトレンドラインを引き相場の転換点を探ります。
そしてトレンドの転換点となるのが赤丸のブレイクポイントです。
上図のように下降トレンド中の上値抵抗線となるトレンドラインをブレイク…つまり上抜けた場合は「買い」のサインとなり、上昇トレンド中の下値支持線をブレイクしたケースでは「売り」のサインになります。
こうして相場の転換点を察知し、それに合わせた売買を行うことで勝率を高めることができるでしょう。
チャネルラインで細やかな売買を
トレンドラインは短期売買から中長期売買まで幅広く対応できるテクニカル分析ですが、数日~数週間程度のスパンでの取引であるスイングトレードなどに活用したいのであればチャネルラインが有効かもしれません。
上記の図にもう一手間加えてみます。
チャネルラインはトレンドラインと平行に描く線で、上昇トレンドならば高値と高値を結び上値抵抗線として、下降トレンドなら安値と安値を結び下値抵抗線として機能します。
真ん中の上昇トレンド時にチャネルラインを引いていないのは、期間が短いために目安となる高値が少ないため。
こうやってチャネルラインを引くと小さい波の動きが読みやすくなり、一週間程度のスイングトレードなどを行う際に役立ちます。
それ以外にも、例えば下降トレンド中に下値支持線であるチャネルラインを割り込むようであれば、今以上に下降する力が強まったという判断が広がり、売りが加速する可能性を察知するのに一役買うことも。
ただ、チャネルラインはトレンドラインと平行に引くという都合上、使用できる状況は限られるという欠点も。下値支持線と上値抵抗線を並行して引ける状況なんてそれほど多くありませんからね。
チャネルラインに関しては、相場が比較的綺麗な波を描いている時しか使えません。「チャンスがあれば」というスタンスでいいと思います。
ここまで簡単にトレンドラインやチャネルラインの説明をしてきました。相場の転換点を読み取る上でも重要だと。しかし、一見ブレイクしたと思わせてすぐに値を戻すような「だまし」も多く存在するという点を考慮しておく必要があります。
次のページではトレンドラインを活用する上で常に意識する必要がある「だまし」を解説していきます。
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