トレンドラインの「だまし」
3ページに渡るトレンドラインの記事の最後は「だまし」について書いていきます。
トレンドラインは下値支持線もしくは上値抵抗線として機能し、ラインを突き抜けることを「ブレイク」と呼び、それまでのトレンドの終焉を意味します。
しかし上図はあくまでも素直なブレイクの例であり、実際の値動きはこんなに単純ではありません。そう、そのブレイク時にこそ「だまし」は潜んでいるのです。
上の図で説明すると、上昇トレンド中に下値支持線を一旦下抜いた赤丸部分は一見ブレイクしたように見えますが、その後すぐに値を戻し再びトレンドラインの中に入っていますよね。
もし最初に支持線を下抜いた陰線の所で空売りでもしていたら、ほぼ確実に損失が出ることでしょう。
その後の青丸では完全にブレイクし上昇トレンドは終了していますが、これらは過去のチャートを見て結果論を述べているに過ぎず、リアルタイムではブレイクが「だまし」なのか「本物」なのかの判断は難しくなります。
トレンドラインのだましを見極める方法
「だまし」か「本物」かを見極める方法はいくつかありますが、比較的有効な手段としてブレイクしてもすぐに取引せず少し様子を見るというものがあります。
「なんじゃそりゃ?」
…と思うかもしれませんが、ちゃんと理由と条件があります。
上図を見てもらうと分かるように、一度ブレイクした後すぐに値を戻していますが、下値支持線であったトレンドラインに弾き返され再び値を下げています。
上昇トレンド中では下値支持線として機能していたトレンドラインですが、下値支持線を下抜いたことで今度は上値抵抗線として機能することがあり、それにはじき返されることでより値を下げやすい地合になります。
この「これまでの支持線が抵抗線になる」という状況を確認してから取引すれば勝率は上がってくるでしょう。
しかしこの方法では初動が遅れ、その分利益も小さくなってしまう欠点も。
なので「取引の回数は少なくてもいいから出来る限り勝率を上げたい」という方でないと逃したチャンスを指をくわえて見ている…という状況になりかねません。
だましを完璧に見極める手段はない
上記以外で出来るだけ「だまし」を見極める方法としては…
- 今まで続いてきたトレンドが長い場合はブレイクの信頼性も比較的高い
- ブレイクした材料の大小や情勢を見極める
…などもありますが、確実にだましを見極める方法は存在しないのが実情。その時々の情勢などによって状況は大きく変わりますからね。
過去のチャートなどを調べたり、世界情勢や経済状況などを吟味しながら自分なりの判断法を見つけるのが結局は勝率を高める一番の方法でしょう。
…なんか身も蓋もない結論になってしまったか…?
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