移動平均線の活用・分析2
前のページでは短期移動平均線と長期移動平均線の乖離による「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」に関する事や、長期移動平均線の「支持線」「抵抗線」としての役割を書いてきました。
それ以外にも移動平均線から読み取れるサインは多く、中でも使用頻度が高く頻繁に目や耳にするのがゴールデンクロスとデッドクロスです。
この2つは短期移動平均線と長期移動平均線が交差する場面の事を指します
ゴールデンクロスは長期移動平均線(25日)を短期移動平均線(5日)が下から上抜ける事を指し、
下降相場から上昇相場への転換を示唆する場合も多く、買いのサインと言われています。
長期移動平均線は上値抵抗線として機能する場合も多いのですが、その抵抗線を上抜くという事は、それなりのパワーを伴っていると見て差し支えないでしょう。
そしてデッドクロスはゴールデンクロスの逆で、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜ける事を指します。
株価が長期移動平均線の上にある場合は、長期移動平均線が下値支持線になる事も多いのですが、それを下に突き抜けるという事はゴールデンクロス同様それなりの勢いを伴っていると考えておきましょう。
このゴールデンクロスとデッドクロスは移動平均線を用いた分析の中でも広く知れ渡った、極めて有名なものですが、必ずしも信頼できるほどのものではありません。
実際ゴールデンクロスになっても、あっという間に売りが先行し不発に終わる事は日常茶飯事だったりするので、これ単体での過度な期待は禁物です。
他に移動平均線で読み取れる情報にトレンドがあります。
本来トレンドを読み取るには右図のように値動きの波の上下にラインを引っ張る事が多いのですが、長期移動平均線の向きだけでもある程度トレンドは読み取れます。
右図は下降トレンドですが、紫色の長期移動平均線も下降しているのが見て取れると思います。
長期移動平均線は過去25日の平均終値なので、それが下を向いているという事は、相場の流れも下降気味と判断できるのです。
ただしトレンドを長期移動平均線のみで読み取るのはあくまでも簡易的な分析なので、過信は禁物です。
結構色々な事に使える移動平均線を用いた分析法ですが、一番の強みはやはり多くの投資家が使っている分析法というところだと思います。
テクニカル分析と投資家心理でも書きましたが、多くの投資家が使っている分析法は、多くの投資家がその分析に沿った売買を行うので、結果信頼性が高くなるのです。
上記のように移動平均線を使った分析はそれなりに信頼に足るものですが、より信頼性を高めたいのであればトレンド系のテクニカル分析法である移動平均線に加え、オシレーター系の分析やファンダメンタルズ分析を組み合わせると良いでしょう。
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