東証、大証の特徴
東西の2大証券取引所
一口に証券取引所と言ってもいくつかの市場があり、中でもよく耳にする東証は東京証券取引所の略、大証は大阪証券取引所の略となります。
これ以外にも名証と言われる名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所、ジャスダック証券取引所がありますが、
ここでは東証、大証の特徴を書いていきます。
東証には大企業などが上場している「東証1部」と、中堅企業が中心の「東証2部」、新興企業向けの「東証マザーズ」があり、大証も
同じように大企業などが名を連ねる「大証1部」と、中堅企業が多い「大証2部」、新興企業向けの「大証ヘラクレス」が存在します。
マザーズやヘラクレスなどの新興市場については一つ下の項目「新興市場の特徴」で書いていくので、ここでいう東証、大証とは1部と2部の事だと思って下さい。
東証にしろ大証にしろ1部は2部より上場基準が厳しく、1部に上場しているという事はそれだけ信用が高い事を意味します。特に東証はトヨタやキャノン、ソニーなど日本を代表する大企業の多くが上場しており、また1日の出来高も極めて多く、信頼性の高さはピカイチと言えます。
反面、東証に比べるとどうしても地味なイメージのある大証ですが、任天堂などの大企業なども上場しており、結構侮れません。
新興市場を除く東証、大証は新興市場に比べ値動きが小さく、良くも悪くも安定していて、
特に東証1部は他の証券取引所の企業に比べ1社当たりの発行株式数が極めて大きいので当然その分値動きも小さく、ハイリスクハイリターンと言われる株式投資の中ではリスクの小さい部類に入るので、信頼性も相まって安定した中長期投資に向いていると言えます。
中長期投資に向く東京証券取引所や大阪証券取引所
東証や大証が安定しているという事は新興市場のような「1年で数倍になった!」的な事は期待できませんが、経済が順調なら株価もそれなりに上がるでしょうし、長期的に保有するなら株主優待や配当も受け取れます。
本当の意味での「投資」をやるのであれば、上場基準が甘く信頼性という面で劣る新興市場の株を買うより、大企業の多い東証や大証の株を買うほうが安全なのは間違いありません。
つまり、東証1部や大証1部は比較的大きな資金を株式に投入でき、かつある程度安定的に運用したい方に向いていると言え、大企業を中心にディフェンシブ銘柄などを組み合わせて長期的に配当や株主優待などのインカムゲインを受け取るような投資法がいいでしょう。
ただし、大企業だからといって必ずしも安定しているとは限らないので注意してください。
典型的な例に2011年に起きた東日本大震災後の東京電力事故での東電株暴落などがあり、株価は震災前の約2000円から一時200円ほどまで値を下げました。
東京電力といえば東証1部上場で、関東の電力を一手に担っている事実上の独占事業であり「超」が付くほどのディフェンシブ銘柄の代表格だったのですが、東日本大震災の原発事故によってそれはあっさり崩壊してしまいました。
また、近年苦戦が続く電機メーカーのように業績の下方修正を繰り返したり、東芝の不正会計問題のような不祥事が出ると大手といえどストップ安になることもあるので過信は禁物です。
大企業中心で安定している東証1部であってもリスクは常に付きまとう事を忘れないで下さい。
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