新興市場の特徴とは

複数存在する新興市場

一口に証券取引所と言ってもいくつかの市場があり、中でもよく耳にする東証は東京証券取引所の略で、大証は大阪証券取引所の略です。

これ以外にも名証と言われる名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所、ジャスダック証券取引所がありますが、 ここでは東証マザーズやJASDAQ(ジャスダック)などの新興市場について書いていこうと思います。

新興市場というとジャスダックや東証マザーズ、大証ヘラクレス()が有名で、事実この3市場が新興市場の取引の大半を占めますが、 他に名証セントレックス、札証アンビシャス、福証Q-Boardなども存在します。

※大証ヘラクレスは2010年10月にジャスダックと統合し名称は消滅。

これらの新興市場は東証一部二部や大証1部2部などと比較し色々な特徴があるのですが、それは具体的にどういったものなのでしょうか?

東証、大証とは違う新興市場の値動き

東証マザーズやジャスダックなどの新興市場は東証や大証の一部、二部などに比べ上場基準が緩く、ゆえに信頼性という面では東証や大証の一部二部に比べれば劣ります。

しかし逆に考えれば未成熟であるがゆえに大化けする可能性も秘めており、上手く安値で仕込んでおけば東証などの大きな市場では考えられないくらいの利益が出る可能性もあるのが最大の魅力ともいえます。

新興市場はベンチャー企業が多いので事業規模の小さい企業が多く、発行株式数も少ないため値動きが大きくなりがちで、 それに目を付けた個人投資家などの投機的な売買でさらに激しい値動きに拍車をかける傾向にあります。

デイトレーダーと言われる短期売買を行う個人投資家は値動きの大きい新興市場をメインに取引している事が多く、事実私もデイトレードの真似事をしていた時は新興市場をメインに取引していましたが、あまりの値動きの荒さに逃げ出したクチだったり…

ええ、猛者達にカモにされましたとも。

大きな魅力とリスクが混在する新興市場

新興市場は2006年の1月に起こったいわゆる「ライブドアショック」で完全に下降トレンドに入り、2008年の後半を底に方向性の定まらない動きになっていました。ライブドアショック以前の新興市場ブーム時に新興株を買った人は相当な損失を被ったことでしょう。

考えようによっては安値感がある「買い時」にも見えますが、もし今仕込むのであれば数年単位の保有は覚悟しておいたほうが良いかもしれません。

私もそうでしたが、比較的年齢層の低い個人投資家に多い「新興市場+デイトレード信用取引」という組み合わせによる投資…というか投機。

確かにスリルがあり市場の臨場感も味わえ一攫千金も狙えますが、同時に一瞬にして資産を消し去る危険性もはらんでいるので、 もし今からやってみようというのであれば十分にそのリスクを理解した上で始めたほうがいいでしょう。

■東証や大証の1部、2部に比べ上場基準が緩く、相対的に倒産などのリスクが高い
■若い企業が多いため急成長する可能性も見込める
■発行株式が少ないため値動きが大きい
■ライブドアショック以降値動きは渋い

(追記)その後の新興市場

2012年末に衆院選で自民党が勝利し安倍総理が誕生すると、日銀の異次元緩和なども相まって「アベノミクス相場」が始まり、日経平均株価と共にジャスダック平均やマザーズ指数なども大きく上昇しライブドアショックの下落の多くを取り戻しています。

ジャスダック平均やマザーズ指数は2008年後半からの低調な推移の時から2倍超になっていますので、結果論としてはアベノミクス前に仕込んでおけば…という感じでしょうか。

相場の世界に「たられば」は禁物で、新興市場がこれほどの回復を見せると予想していた人は少ないと思いますが…

ただ、個別銘柄に目を向ければ規模が小さく事業が安定しない新興市場の企業は東証一部などに比べ相対的に上場廃止や破産などが多いため、新興市場株に手を出すならある程度のリスクは覚悟しておく必要はあります。

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