コツコツドカンは最悪の投資法
ついつい陥りがちなコツコツドカン
投資には「コツコツドカン」という言葉がありますがご存知ですか?
これは端的に言うと「利益は小さく、損失は大きい」という投資の手法に陥ってしまっている状態のことを指し、コツコツ積み重ねてきた利益を大きな損失で一気に持っていかれる売買の傾向をいいます。
「利益が小さく損失が大きいって、投資家として終わってんじゃん」と感じる方もいらっしゃると思われ、確かに投資の理想は「利益は大きく、損失は小さく」ではあるものの、これは言うは易し行うは難しの典型でもあります。
特に個人投資家はコツコツドカンになりやすく、利益確定をする回数のほうが多いのに資金が減っていく…と感じている方は要注意。
コツコツドカンの典型例
人間というのは不思議なもので、含み損が出ている時は「きっと戻すだろう」と我慢強く待つのに、含み益が出ていると途端に「早く売らなければ含み益が無くなってしまう」と焦り、含み損の時の我慢強さはなりを潜めてしまうもの。
この心理がコツコツドカンの原因になり、極端な例を挙げると…
例えば100円の株を1000株買い1円上昇で利益確定を9回繰り返したのち、同条件で10円下落したところで損切りしたとすれば…
- ■利確 1000株×1円×9回=9,000円の利益
- ■損切り 1000株×10円×1回=10,000円の損益
これは当然手数料を考慮しておらず、仮に手数料を最も安い水準であるライブスター証券レベルの1回(片道)100円として考えてみると、10往復…つまり20回の約定となりますから2,000円。
上記の例だと差損が1,000円である上に手数料が2,000円かかりますから、合計で3,000円の損失ということになるのです。これは極端な例ですが、個人投資家の場合似たようなことが往々にして起こり得るのです。
■手数料最安値レベルの片道100円でも馬鹿にならない
コツコツドカンにならないために
コツコツドカンにならないためには冒頭でも触れたように…
- ■ある程度の利益が乗るまで我慢強く待つ
- ■損切りは「また上がるかも…」と甘えず早めに行う
この2つが何より重要になります。
ただ、デイトレードやスキャルピングなど短期売買を行っていると値幅1~2円程度の売買を何度も繰り返すこともあり、利益が乗るまで我慢強く待つことが必ずしも正解とは言い切れない面も。
損切りにしても保有期間が限られない現物であればよほど高値でつかまない限りいずれ戻す可能性は高く、これもまた微妙な問題ではあります。
ただ、「利益は1~2円で確定するけど損失は10円20円まで我慢しよう」というスタンスではいけないことは間違いなく、基本的には1~2円の利益を狙ってトレードするなら損切りラインも同様に1~2円とするべき。
中長期投資であれば配当や株主優待も視野に入りますので、「利益は30%で確定、損失は20%で損切り」というように利益を少し多めに取っておいた方が良いでしょう。
コツコツドカンになる原因は「利益確定が早いこと」「損切りが遅いこと」という単体の問題ではなく「利確が早く損切りが遅い」というのが問題なのです。
利確が早いなら損切りも早く、損切りが遅いなら利確も遅くが投資の基本になります。
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