見せ板(見せ玉)に注意する
悪意のある相場操縦である見せ板
株の取引をしていると、たまに見せ板(見せ玉)を見かける事があります。
見せ板とは取引を成立させる意思がないのに大量の売買注文を出し意図的に相場を操作する方法で「見せ玉」とも呼ばれ、法律で禁止されている違法行為です。
右図は2006年9月にタカラバイオという銘柄で実際にあった見せ板です。
買い気配は2桁程度の買い注文数なのに対して売り板には4桁5桁のまさに“桁違い”の売り注文で上値を徹底的に押さえつけており、これではさすがに買い注文を出すのに躊躇してしまいます。
これは極端な例ですが、他の注文に対して一桁違うような見せ板は頻繁に…特にデイトレーダーの好む銘柄で見かける事があり、注意が必要になります。
実際の見せ板を使った手口
では悪質な投資家が高く売り抜けたい場合に使う見せ板の具体的な手口を見てみます。
右図のように現在値は99円~100円で動いている状況で96円で買いたいとします。
そこで自分の買いたい値まで下げるために100円のちょっと上に大量の売り注文を出し上値を抑えます。
そうすると市場参加者は「大量の売り注文で値は下がりそうだな」と判断し、売られる展開に。
そして目論見通り値が下がってきたら追いかけるように見せ板も下げて行き、目標の株価まで売り圧力をかけ続け、自分の目当ての取引が約定したらすぐに見せ板の大量の注文を取り消すのです。
見せ板を行うには大量の注文を出す必要があるので潤沢な資金が必要になり、一般的な個人投資家が行うには厳しく多くの場合は機関投資家や億単位のお金を動かせる一部の個人投資家が行っているものと推測されます。
ごく稀に見せ板を行った容疑で逮捕者が出ますが、実際に見せ板を立証するのは困難で、ほとんどの場合は放置されているのが現状といえます。
なぜなら大量の注文を出す事自体は違法行為でもなんでもないからです。
しかも逮捕されているのは大きな資金を持っている個人投資家で、機関投資家が逮捕されるという話は聞きませんので、なにやら裏に嫌なものが見え隠れしますね。
見せ板を使った株価操作は仕手株同様、我々個人投資家を食い物にする汚い手法です。
もちろんそれを逆手に取って利益を上げることも可能かもしれませんが、少ない資金しかない個人投資家には明らかに分が悪いので、見せ板らしきものを見かけたらその銘柄には手を出さない方が賢明でしょう。
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