株主になると発生する様々な権利
株主には誰でも簡単になれる
「株主」というと何やら金持ちで偉そうなイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、きっとそのイメージは発行済み株数のうちかなりの割合を保有する「大株主」のものであり、株主自体は誰でも簡単になれます。
では、そんな株主になるにはどうすればいいのか?
株主になる事自体は銘柄ごとに決められた最低単位の株式数(1単元)を買えばいいだけで、一般的に1単元でも株を保有すれば「証券保管振替機構(ほふり)」のほうで株主として登録してくれます。
つまり自分でする事はただ株を買えばいいだけなので株主になること自体は非常に簡単。そして多くの方は株主の権利は配当や優待だけだと思っているのではないでしょうか?
では株主になるとどういった権利が発生するのか見ていきましょう。
株主になって発生する権利
企業の株を保有するという事は、言い方を変えれば「企業の一部を保有する」という事ですから色々な権利が発生します。そしてその株主権は保有する株数に応じて「単独株主権」と「少数株主権」に大別されます。
単独株主権と少数株主権については以下の通り。
■単独株主権 … 1単元の保有でも行使可能な株主権
■少数株主権 … 一定の割合を保有する株主だけが行使できる株主権
当然ながら多くの株数を保有している株主の方が様々な株主権を保有する事となりますが、単独株主権から保有できる株主権はこうなっています。
■剰余金配当請求権(利益配当請求権)
■残余財産分配請求権
■議決権
剰余金配当請求権(利益配当請求権)は、株主となっている企業の利益を配当を受け取ることができる権利で、おそらく多くの方が一番お世話になる株主権でしょう。
残余財産分配請求権は、企業が解散や倒産した際、負債を返済しなお財産が余る場合は株数に応じて残った財産の分配を受けられる権利であり、出来る事なら一番行使したくない株主権といえるでしょう。
議決権とは、株主総会での経営方針などの議案に対して賛否の意思を表明することが出来る権利で、原則として1単元につき1つの議決権を与えられる事から、より多くの株式を保有する株主が強い影響力を持つ事になります。
より多くの権利を行使できる少数株主や大株主
一方、一定の割合以上の株式(議決権)を保有する「少数株主」の権利にも触れると…
■議題提案権 … 株主総会において議題を提案できる権利 1%以上の議決権が必要
■会計帳簿閲覧請求権 … 企業の会計帳簿を閲覧できる権利 3%以上の議決権が必要
少数株主は保有株数によって上記の権利を行使できるようになります。ただ、こういった少数株主権は個人投資家にはほとんど無縁のものなのですが、参考までに。
また、株式総数の10%以上など少数株主以上の株数を保有する株主を「大株主」や「主要株主」と呼び、その中でももっとも保有比率が高い株主を「筆頭株主」と呼びます。
主要株主や大株主、筆頭株主などが持つ権利は以下のようになります。
■解散請求権 … 企業の解散を請求できる権利 10%以上の議決権が必要
■拒否権 … 重要事項の特別決議を阻止する権利 3分の1以上の議決権が必要
■経営権の取得 2分の1以上の議決権が必要
■重要事項の特別決議を成立させる権利 3分の2以上の議決権が必要
…まあ我々にはまったく関係のない世界ですよね。
1単元の保有でもれっきとした株主なので、株主権は最大限行使するべきですし、ちょっと手間ではありますが株主総会に出席してみるのも良い勉強になると思います。
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