仕手株の手口と特徴的な動き方

そももそ仕手筋はどういう方法で儲けているのか?仕手株というのは一朝一夕にできるものではなく、株価が急騰するずっと前から綿密に計画されているのです。

仕手筋の手口は要約するとこんな感じ。

  • あまり株価や出来高に反映されないように少しずつ対象銘柄を買っていく
  • ある程度のまとまった株数が揃ったら目に見える形で株を買い上げていく
  • それに目を付けた投資家が値上がりに乗ろうと買い始める
  • 十分に騰がった所で売り抜ける

ひとつずつ説明していきましょう。

密かに株を買い集める

仕手株によって大きな利益を上げるには、株価を急騰させる前になるべく多くの株を集める必要があります。

しかし、値段をつり上げる前に仕手銘柄だとばれてしまっては元も子もないので、なるべく株価を上げないように、目に見えて出来高を増やさないように徐々に徐々に対象銘柄を買い集めていきます。

デイトレーダーの注意を引く

十分な量が集まってきたら今度は一転して目立つような買いを入れます。中途半端なことはせず上昇率ランキングのトップに躍り出るくらい一気に買い進めデイトレーダーなど短期売買を行う投資家を誘い入れるのです。

というのも、株を自分たちが買って株価を上昇させるだけでは儲けに繋がらないからです。株価を上昇させれば既存の株主が利益確定を行うことも十分考えられ、むしろ損をしてしまう可能性が高くなります。

集めた多くの株式を高値で売るには自分以外の投資家に買いを促す必要があり、その方法として手っ取り早いのがマネーゲームを好むデイトレーダーを引き込むことなのです。

デイトレーダーは短時間で大きなリターンを得ることが目的です。かたやマネーゲームを作り出しその場を提供している仕手筋。ある意味でWIN-WINの関係なのかもしれません。

もちろんその陰にはババを引いて大損害を出す人がいるわけですが…

高値で売り抜ける

デイトレーダーの力を借り株価が十分に上昇したら、仕手筋は大量に買い進めてきた株式を売り始めます。一気に売ってしまっては株価が暴落してしまうので、株価の急騰に紛れ徐々に手放していると見るのが自然。

最後は後始末とばかりに成行で一気に手放し、仕手相場を自ら終焉させる可能性も。売り抜けてしまった後は…もはや知ったことではないといったところでしょう。

ハシゴが外された後は急落が待っているのみ。天井で掴んでしまったり逃げ時を逃してしまったりした個人投資家には地獄が待っています。

仕手株の動きの特徴

では、仕手株の動きが具体的にどういったものなのか、上記手口をあてはめながら過去の仕手株として有名なルックを例に説明しましょう。

仕手株:ルック

今回のルックの場合、仕手筋が密かに株を買い進めている期間は2002年あたりと見られます。

そして2003年から証券会社の値上がりランキングや出来高急騰ランキングに顔を出すように買い上げ、他の投資家の目に触れさせることによってマネーゲーム大好きなデイトレーダーを引き込みます。

2002年半ばから上昇しはじめ11月に448円を付けた後12月には一旦263円まで値を下げ、仕手相場は終わりかと思いきや、そこから半年で怒涛の2150円!!

この間相当な数の投資家が「いいかげん下がるだろう」と思って空売りしたことでしょう。そして期待が外れてしまった空売り勢のヤケクソの買戻しも巻き込み、買いが買いを呼んでここまで値を上げた…という感じでしょうか。

これによりルックは半年で一気に8倍の値上がりを見せましたが、その後の半年で400円ほどまで値を下げ、その後さらに半年ほど乱高下した後、ゆっくりと右肩下がりになり、結局は仕手が始まる前の元の値に落ち着いた…と。

この時の最高値は2150円ですが、仕手筋はもっと前にとっくに売り抜けているはず。

後は…私の想像ですが、天井を確認してから今度は売り方に回ってもう一儲けした可能性もあります。まあ空売り規制により大きな利益にはなっていないでしょうが…

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