株式会社の仕組みを知ろう
株式会社ってどんなもの?
前のページなどで「株とは何か?」、「株式投資とはどんなものか」について書きましたが、ここではその元である「株式会社」の仕組みなどについて書いていきます。
株式会社とはその名の通り「株を発行している会社」で、誰もが知っているトヨタ自動車やソニー、キャノンなどといった大企業はほとんどが株式会社であり、また一部の非上場大企業を除き、ほとんどの大企業は証券取引所に上場しています。
なぜ多くの企業が「株式会社」なのか?
その理由は企業の資金調達方法にあり、企業が事業を展開するにあたり、資金を調達する方法は主に2つに分けられ、それは以下の通り。
■銀行などの金融機関から借り入れる
■株を発行し、投資家から出資を募る
金融機関からお金を借りるというのは企業のみならず、車や家のローンやキャッシングという形で多くの方が経験していると思われますが、当然この方法で資金を調達すれば、必ず「返済」する必要があり、しかも利息まで取られます。
必ずしも成功するとは限らない事業において利息が発生する借り入れはリスクが高く、また金融機関から借りている以上「貸し剥がし」のリスクもゼロではないため、「できれば融資に頼らす資金を調達したい」と考えるのは自然なことなのかもしれまんせん。
株式を発行し投資家から資金を集める
一方で株を発行して投資家から資金を調達したらどうか?
「株」というものは出資者に対して発行するものですが、これは「借金」ではありませんから返済の必要はなく、もちろん利息を払う必要もありません。
会社の業績が良ければ多くの企業は「配当」や「株主優待」として株主に還元しますが、それも義務ではありませんから、中にはどんなに業績が良くても積極的な事業展開のために「無配当」を続ける企業も存在します。
こういった企業は株主から「無配当」である事を非難される場合もありますが、その分を事業拡大に使い、結果株価の上昇が見込めることから、場合によっては配当以上の利益が株主にもたらされる事になり、好意的に受け取る株主も多い。
調達した資金を返す必要も利息を払う必要もないというメリットに加え、再び大きな資金調達が必要になった場合でも「増資」という形で新たに株を発行し資金を調達できます。
要は株式会社は資金調達が容易だという事。
ただ、市場からの資金調達が容易というのは「株式会社で上場企業」での話であり、中には大企業でありながら上場していないサントリーやロッテといった企業も存在し、そういった企業は市場から資金を調達する事はできません。
この辺は別のページで詳しく書いていますので、関連記事を参照して下さい。
■金融機関からの借り入れと違い、株での資金調達は返済も利払いも必要ない
■増資の際も調達しやすい
株式会社が抱えるリスクとデメリット
企業を株式会社とし上場すれば多くの投資家から返済する必要がなく利息の支払いもない資金を集められ、また増資などによって資金を調達しやすいという大きなメリットがあるものの、当然リスクやデメリットも存在します。
それは「企業が株式を上場する理由:メリットデメリット」で詳しく書いていますが、簡単にまとめるとおおまかに以下の2点。
- ■敵対的な買収をされる恐れがある
- ■株主の意向を反映する必要があり自由な経営が阻害される
ロッテやサントリーは経営の自由度を優先して非上場としているように、株式会社化したからといって必ずしも上場する必要はありません。(サントリーは遠からず上場するという噂も絶えませんが)
また、現在は「株式会社」を名乗っていても非上場の場合株券を発行しない「株券不発行会社」も多く、“株式会社”という名称が形骸化している印象も拭えません。
確かに“体”で考えれば株式会社を名乗ったほうが取引先や顧客の信用を得やすく会社の規模感も演出できますからね。
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