出来高の仕組みを知ろう
出来高とは売買された株式の数を指し、取引のボリュームを表します。
株式の物色、取引をする場合チャートを見る機会は多いと思いますが、チャートを見ると同時に表示されるのがこの「出来高」。
、 チャートばかりに目が行って出来高はあまり意識していない方も多いと思いますが、出来高から読み取れる情報は結構多く、値動きなどと組み合わせる事によってより力を発揮します。
上図の赤い枠で囲った所が出来高です。
一つの銘柄でもその日によって出来高は大きく異なり、その企業に関連したニュースはもちろん、市場の地合や値動きによっても違ってきます。
一口に「株価が上昇」「株価が下落」といっても出来高を伴っているかどうかでその「力強さ」が違い、出来高の伴った上昇、下落は市場の流れ、方向性を表している場合も多く、その結果は信頼に足るものである事が多くなります。
逆に市場参加者の少ない時などの出来高の伴わない上昇、下落は大きな注文で簡単に反転したりするので信頼性に欠けます。
なんとなく出来高が多いと「値動きも激しいのでは?」という印象を受けますが、東証1部などの銘柄は発行済株式数も多く出来高が多くても値動き自体はそれほど多くありません。
一方でJASDAQやマザーズなどの新興市場では発行済株式の数が比較的少ないため出来高が増えると値動きも大きくなる傾向があります。
上図はその典型ですが、出来高が急激に増えている所は値動きも荒くなっており、こういった場合は出来高の急増でデイトレーダーが集まりマネーゲームの対象になっていたり、仕手筋による「仕手株」の対象になっていたりする事もあるので注意が必要です。
もう一つの注意点に出来高はあくまでも取引された株式数を表すもので、取引された単元数を表すものではないという事が挙げられます。
どういう事かというと、株式の取引には「単元」というものがあり、多くの株式は100株もしくは1000株単位でしか取引できず、その取引単位を「単元」と呼びます。
1000株単位でしか取引できない銘柄は「1000株=1単元」になります。
しかし中には発行済株式数が少なく1株が数万~数十万円する株式もあり、そういった銘柄は「1株=1単元」なのです。
例えば「1000株=1単元」の株と「1株=1単元」の株が1000単元取引されたとして…
1000単元×1000株=1.000,000株
1000単元×1株=1000株
となり、同じ単元数でも出来高は大きく異なります。
「1000株1単元」の株なら百万単位の出来高で「出来高が多い」と感じますが、「1株1単元」の株なら数千株の出来高でも「出来高が多い」と判断できるのです。
ですから本当の意味で取引のボリュームを量りたいなら出来高より「売買代金」を見た方が良いかもしれません。
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