特定口座と一般口座の違いとは
証券会社に口座を開設する際必ず選択することになる「一般口座」と「特定口座」。そして特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2つが存在するため、実質3つからどれかを選ぶことになります。
しかし証券会社の口座開設が初めてという方は「どれを選択すればいいのだろう?」と悩んでしまうことが多いのではないでしょうか。
実際私も初めて口座を開設した際、申し込み用紙に記入していた手が特定口座の選択の欄でピタッと止まってしまい、とりあえず記入は後回しにしてネットで調べまくったものです。
まずは開設する口座を一般にするか特定にするか選択をするわけですが、特定口座を選択した場合さらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」を選ばなければならない。全てを書いてしまうとかなり長くなってしまいますので、ここでは一般口座と特定口座の違いを詳しく紹介していきたいと思います。
証券会社の一般口座とは
ではまず一般口座の説明からしていきましょう。
一般口座はその名の通りいたって一般的な口座であり(当たり前)、証券会社に投資資金を預けているだけと言えば分かりやすいでしょうか。
一般口座では基本的に証券会社が何かしらのアクションを起こすことはなく、株式投資での損益はダイレクトに反映されることになります。
一般口座のメリット
一般口座のメリットとして挙げられるのは年間利益が20万円以下であれば申告の義務がないという点でしょうか。
株式投資による利益には所得税と住民税合わせて20.315%の税金が課せられますが、年間利益が20万円以下の場合は申告の義務がないため、一般口座であれば最大約4万円の税金が節約できます。
ただし、この特性は特定口座の源泉徴収なしでも同様であるため、必ずしも一般口座である必要はありません。
一般口座のデメリット
年間利益が20万円以下であれば申告の義務が発生しないため、この範囲に収まっていれば一般口座に不自由を感じることはないでしょう。
しかし、株式投資によって年間20万円以上の利益が出れば、1年間の取引の損益や手数料、金利、貸株料に至るまで記載した取引報告書を自分で作成し、確定申告時に提出する必要があります。
この年間取引報告書を自分で作成するのは非常に手間がかかる。年間に数えるほどしか取引しない人であればまだしも、毎日数十回取引するようなデイトレーダーがこれを作成するということになれば地獄を見ることになるでしょう。
一般口座で何の問題もないのは年間利益が20万円以下に収まる場合のみです。しかしそれは特定口座の源泉徴収なしでも同様。一般口座では万が一20万円を超えれば年間取引報告書の作成という難題が待ち構えています。
ハッキリ言って何のメリットもない口座…それが一般口座ということになります。
特定口座とは?
一方、特定口座は源泉徴収のあり・なしにかかわらず証券会社が一年間の売買損益を計算し「年間取引報告書」を作成し、翌年の1月末までに郵送してくれるというのが大きな特徴になります。
株取引では年間利益20万円を超えたら確定申告の義務が生じ、その際に必要になるのがこの年間取引報告書。一般口座ではこの年間取引報告書を自分で作成しなければなりませんが、特定口座であればたとえ1万回取引したって証券会社がしっかりと報告書を作ってくれます。
前述したように中長期トレードメインで年に数回の取引しか行わないのであればまだしも、デイトレードなどの短期トレードメインで年間数百回、数千回の取引を行う方であれば、年間取引報告書の自作はもはや不可能と言っても過言ではないでしょう。
その点、特定口座であればその面倒な「年間取引報告書」を証券会社の方で作成、郵送してくれるので、確定申告の負担は相当減ることになります。
もっと負担を減らしたいのであれば「源泉徴収あり」を選んでおけばいいのですが、そのあたりは次のページで説明します。
加えて源泉徴収なしであれば年間利益20万円以下の場合約20%の税金を払う必要もない。真っ当に株取引を行おうというのであれば一般口座のメリットはほとんど無いと言えるでしょう。
では次のページで特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」について詳しく説明します。
あわせて読みたい関連記事

信用取引は現物取引に比べ圧倒的に安い手数料が魅力のひとつです。しかし毎日金利や貸株料がかかるというデメリットもあり、「何日くらい保有すると現物より高くつくんだろう?」と考えたことはありませんか?その疑問に応えるべくいくつかのパターンで計算してみました…続きを読む

いざ投資をはじめようとした時「株にするかFXにするか」で迷う人は多いと思います。FXと株式投資どちらが儲かるかは人によって、もしくは投資法によって変わりますが、これらの特徴やメリットデメリットを詳しく解説しますので今後の投資に活かしてください…続きを読む

株価というのは良い材料が出れば上がり、悪い材料が出れば下がるとされています。しかし実際は全体の地合いやトレンドがものをいい、どんなに業績が良くても地合いが悪かったりトレンドが下降気味だったら株価は下がり、逆に業績が悪くても地合いが良ければ株価が上がる…続きを読む

株主優待をリスクなく貰う方法としていわゆる「優待タダ取り」というものがあります。厳密には手数料や貸株料がかかるためタダにはならないものの、銘柄を選べばかなりお得になります。しかし色々と注意点やデメリットもありますので損をしないための具体的な説明をしていきます…続きを読む

信用取引の場合2013年1月から差金決済が解禁され同一資金でいくらでも取引できるようになりましたが、現物取引の場合は差金決済が禁止されており同日中の同一資金による同一銘柄の取引は1往復までしか行えません。分かりやすく詳しい仕組みを見てみましょう…続きを読む

委託証拠金が不足し追証が発生しつつも、それを無視し期限を過ぎてしまったらどうなるのか?私自身が経験した追証から建玉を損切りしたものの結局信用取引を停止され、その後信用取引口座継続の意思確認を経て信用口座が復活した経緯を書きます…続きを読む

割安感を測る指標としてPER(株価収益率)は投資判断でよく用いられ、一般的に数字が低ければ「割安」とされますが、“マイナス”のPERはどうなのでしょうか?これは前期や今期予想などが赤字の場合に見られ、指標として意味を成しませんがV字回復への期待を込めて買うという方法も…続きを読む

株式投資とギャンブルの違いは胴元がいるかどうかもそうですが、やった後に何も残らないギャンブルと違い投資を始めると経済に敏感になり、結果経済の勉強になりますし、世界の人々が集う市場に参加するというのは閉鎖的なギャンブルの世界とは全く別物です…続きを読む