チャートの見方 - ローソク足編
株の取引をする上で必ずといっていいほどお世話になるのが証券会社。その証券会社のサイトや取引ツールから日経平均株価なり個別の銘柄なりをチェックすると必ず目にするのが株価チャートです。
株の先行きをうらなう上で重要になる分析は主に「ファンダメンタルズ分析」と「テクニカル分析」に大別され、多くの方が行っているテクニカル分析は様々なチャートや分析法を使う必要があります。
国内外問わず多くの投資家が使用しているテクニカル分析法といえば移動平均線や一目均衡表が挙げられますが、基本中の基本として覚えておくべきなのがローソク足の見方ではないでしょうか。
とはいえローソク足がどういったものかよく分からない人もいると思いますので、基本的な情報、様々な形と呼び名、どういった値動きに繋がりやすいのかなど詳しく解説していきます。
ローソク足の基本
さて、ではまず実際にチャートを見ていきます。
右図は多くの人が利用しているであろうネット証券NO.1のSBI証券のチャート。デフォルトの状態であれば上下に分かれているのが確認できると思います。
上が最も一般的な「ローソク足」のチャートで、下が出来高になっています。
ここではまずチャートを見る上での基本中の基本「ローソク足」について説明します。
上の図でチャートを形作っている赤と青の太い縦線を「ローソク足」と呼びます。
どの証券会社のチャートを見てもまずこのローソク足のチャートが出てくるというほど広く浸透した表示方法。これの見方を覚えることから株式投資が始まると言っても過言ではないでしょう。
ローソク足の見方
このローソク足の見方について。始値より終値が高かった場合に「陽線」が使われ、逆に始値より終値が低かった場合は「陰線」が使われます。
値動きの状況によっては上下に伸びた「上ヒゲ」「下ヒゲ」が加わり、これらをひっくるめて「ローソク足」と呼ぶのです。ヒゲが伸びた状態がローソクに似ているのがその名の由来。
SBI証券だと赤い線が「陽線」、青い線が「陰線」になりますが、証券会社によって陰線が黒だったり陽線が白だったりするので注意。
一般的には「陽線」は白もしくは明るい色が使われ、「陰線」は黒もしくは暗い色が使われるので、ここからは「陽線=白」「陰線=黒」で説明していきます。
ローソク足本体の見方
まずはヒゲを除いたローソク足本体の見方から。1日の値動きを例に解説していきます。
一般的に白や赤で用いられる「陽線」は、下限がその日の始値を、上限がその日の終値を示しています。前場の終値、後場の始値は考慮されておらず、あくまでも1日の取引の始値と終値になります。
一方、黒や青など暗めの色で示される陰線は上限が始値、下限が終値。
始値より値上がりして取引を終えた場合は陽線が、値下がりして取引を終えた場合は陰線が使用されると覚えておけばいいでしょう。
注意点としては、陽線が出ているからといって必ずしも前日比プラスになっているわけではないという点。前日の終値から1,000円下げて始まり前日比990円安で取引を終えても始値より上げて引けているため陽線になるのです。
逆に陰線でも前日比で値を上げることはよくあることです。
「陽線=値上がり」「陰線=値下がり」ではなく、その日の始値に対し相対的に高いか安いかで陽線か陰線かが決まると覚えておいてください。
ヒゲとは
次に「上ヒゲ」「下ヒゲ」について。
上ヒゲの場合一番上側がその日の高値で、下ヒゲは一番下側がその日の安値。これは陽線だろうが陰線だろうが変わりません。
上ヒゲが長く伸びている場合は大きく上昇した後に売りに押され上値を縮小したことを意味し、上ヒゲが存在しない場合は陽線ならその日の高値引け、陰線なら始値を上回ることなく取引を終えた…つまり始値が高値だったこと示しています。
下ヒゲを伸ばして取引を終えた場合は大きく売られた後に切り返したことが読み取れるなど、ヒゲは市場の勢いや値動きの概要が一目で分かる重要な存在と言えるでしょう。
ローソク足だけでも市場の状況が分かる
ローソク足の優秀なところは、これひとつで「始値」「終値」「高値」「安値」の四本値が一目で確認できること。
そのため、陽線が多く出ていれば上昇圧力が強いと読み取れることができ、逆に陰線が多く出ていれば売り圧力が強いと判断できる。前述したとおりヒゲも考慮すればチャートを見るだけでもなんとなく相場の勢いが感じ取れるのです。
こうやって一日一日のローソク足でチャートが形作られるのが「ローソク足チャート」で、このチャートを元に様々なテクニカル分析が行われています。そのあたりの詳しい説明は後述します。
ちなみに、ここでは1日の値動き…いわゆる「日足」で解説していますが、チャートの表示期間によっては1本のローソク足が表示する期間が異なります。週足、月足、1分足、15分足なんてものも存在します。
また、何度か書いているようにここでは「白=陽線」「黒=陰線」で説明してますが、チャートをサービスしている会社によって色が違うこともあるので注意してください。
有名どころではSBI証券は「陽線=赤」「陰線=青」ですし、楽天証券なら「陽線=白」「陰線=青」。ほとんどの場合「陽線=白・赤」「陰線=黒・青」ですが、海外のチャートなどでは陽線が緑、陰線が赤といったケースも。
慣れてくればチャートの形を見るだけで陽線・陰線の区別がついてくると思いますので、色に関しては臨機応変に対応してください。
では、次のページからローソク足の様々な形について説明していきます。
あわせて読みたい関連記事
信用取引は現物取引に比べ圧倒的に安い手数料が魅力のひとつです。しかし毎日金利や貸株料がかかるというデメリットもあり、「何日くらい保有すると現物より高くつくんだろう?」と考えたことはありませんか?その疑問に応えるべくいくつかのパターンで計算してみました…続きを読む
いざ投資をはじめようとした時「株にするかFXにするか」で迷う人は多いと思います。FXと株式投資どちらが儲かるかは人によって、もしくは投資法によって変わりますが、これらの特徴やメリットデメリットを詳しく解説しますので今後の投資に活かしてください…続きを読む
株価というのは良い材料が出れば上がり、悪い材料が出れば下がるとされています。しかし実際は全体の地合いやトレンドがものをいい、どんなに業績が良くても地合いが悪かったりトレンドが下降気味だったら株価は下がり、逆に業績が悪くても地合いが良ければ株価が上がる…続きを読む
株主優待をリスクなく貰う方法としていわゆる「優待タダ取り」というものがあります。厳密には手数料や貸株料がかかるためタダにはならないものの、銘柄を選べばかなりお得になります。しかし色々と注意点やデメリットもありますので損をしないための具体的な説明をしていきます…続きを読む
信用取引の場合2013年1月から差金決済が解禁され同一資金でいくらでも取引できるようになりましたが、現物取引の場合は差金決済が禁止されており同日中の同一資金による同一銘柄の取引は1往復までしか行えません。分かりやすく詳しい仕組みを見てみましょう…続きを読む
委託証拠金が不足し追証が発生しつつも、それを無視し期限を過ぎてしまったらどうなるのか?私自身が経験した追証から建玉を損切りしたものの結局信用取引を停止され、その後信用取引口座継続の意思確認を経て信用口座が復活した経緯を書きます…続きを読む
割安感を測る指標としてPER(株価収益率)は投資判断でよく用いられ、一般的に数字が低ければ「割安」とされますが、“マイナス”のPERはどうなのでしょうか?これは前期や今期予想などが赤字の場合に見られ、指標として意味を成しませんがV字回復への期待を込めて買うという方法も…続きを読む
株式投資とギャンブルの違いは胴元がいるかどうかもそうですが、やった後に何も残らないギャンブルと違い投資を始めると経済に敏感になり、結果経済の勉強になりますし、世界の人々が集う市場に参加するというのは閉鎖的なギャンブルの世界とは全く別物です…続きを読む