ローソク足の種類:陰線

ローソク足の陰線の種類

前のページの陽線の説明に続いて、ここでは陰線について説明します。

「陰線」は始値より終値が安かった場合に用いられる線で、基本的にはネガティブなものが多いのですが、形によってはこれからの上昇を示唆するものも。そういったものが現れた場合は注意深く相場を見ていく必要があります。

陰線が並んでいるからと値下がりを警戒するのも立派な投資法ですが、その形によって臨機応変に対応できれば投資の幅はぐっと広がるでしょう。

陰線の種類と呼び名

では具体的に陰線の種類と呼び名について見ていきます。

基本的には陽線の反対の意味や見方を示す場合が多くなっており、始値より終値が下がっていることから弱気を示すケースが多いのが特徴。

ただし、中には陰線といえどポジティブな買いサインである場合も。そういったサインを見逃さないためにもそれぞれの特徴をしっかりと覚えておきましょう。

大陰線(陰の丸坊主)

陰の丸坊主 まずは典型的な大陰線ともいえる「陰の丸坊主」。もう真っ黒です。

寄付きから始値を上回ることはなく、かつ安値引けであるため上下にヒゲを作らない極めて弱い線です。

現実的にはそれほどお目にかかるものではありませんが、実際に目にした場合はあまり手出ししない方がいいといえるでしょう。

ただし、パニック的な急落で実体経済に即していないほどの陰線を引いた場合はちょっと買ってみたい状況でもある。もしくは信用取引の空売りでエントリーするという方法も。

陰の丸坊主レベルの大陰線を引いた場合、翌日は乱高下する可能性が高くなります。買うにしろ売るにしろ慎重な検討が必要なのは言うまでもありません。

大陰線(陰の寄付き坊主)

陰の寄付き坊主 これは大陰線の「陰の寄付き坊主」という線で、陰の丸坊主同様基本的に弱気な線。

ただしこちらは下ヒゲがあり大きく下落した後多少なりとも戻していることから、安値圏で出た場合は底を暗示している場合があります。

ローソク足の実体が長い大陰線であることから基本的には弱気な形ながら、安値圏でこの線が出たら反発のサインの可能性も視野に入れるといいでしょう。

大陰線(陰の大引け坊主)

陰の大引け坊主 次は大陰線の「陰の大引け坊主」。

上ヒゲがあることから寄付き後一度は上昇する場面があるものの、その後売りに押されて安値引け。ゆえに下ヒゲの無い形になります。

値上がり後に再び売られ最終的に始値から大幅下落していることから上値の重さが意識され、今後も値下がりが続く傾向にあります。

上昇局面はもちろん下落局面においてもこの線が出たら翌日も下落基調が続く可能性が高いと見たほうがいいでしょう。

コマ(陰の極線)

コマ(陰の極線) ローソク足の本線やヒゲが短く、かつ陰線である場合はコマ「陰の極線」と呼びます。

「陽の極線」同様、市場に迷いがあり方向感が定まっていない状況で、動きが読みづらい線ともいえるでしょう。

転換を示唆するローソク足というわけではなく、だからといって今後の方向感を示すものでもない中途半端な線。これが現れたら無理にエントリーせず様子を見たほうがいいかもしれません。

カラカサ(陰線)

カラカサ(陰線) これは「カラカサ(陰線)」と呼ばれるもので、長い下ヒゲを見ても分かる通り一旦は大きく値を下げるものの、その後上昇に転じて下げ幅を縮小した線です。

売り買いが錯綜している状況に出やすい線とあって、高値圏で出現した場合と安値圏で出た場合で評価が異なるローソク足。

高値圏であればカラカサが出ると下落に転じる転換点と見られがちな一方、安値圏では底を打ったサインとなる場合も。

陽線のカラカサと同様に下落相場でこのローソク足が出たらその後動きを注視したほうがいいでしょう。

トンカチ(陰線)

トンカチ(陰線) お次は「トンカチ(陰線)」です。

上のカラカサとは逆の形で、上ヒゲが長く寄付き後大きく上昇したものの売りに押されて結局安値引けという形です。

売り圧力が強く、高値圏で現れたら下落のサインである場合が多いので注意が必要です。

トウバ

トウバ(塔婆) 最後は「トウバ(塔婆)」といわれる線で、転換もしくは保ちあいを示唆しています。

ただ大幅高後に大きく売られている事から、どちらかというと売り圧力が強く高値圏で現れたら下落のサインの可能性が高いでしょう。

陰線の紹介はこんなものでしょうか。

陰線というと「売りが強い」イメージがありますが、下ヒゲの長いものは上昇への転換を示唆している場合も多いので注意深く見ていきましょう。

では次のページで複数のローソク足を用いた相場予想を説明していきます。

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