チャートにおける窓とは
投資に関する記事などを見ていると「窓」という言葉を目にする機会があると思います。
この「窓」とはどんなものなのか…という訳で、今回はこの窓について取り上げていきます。
「窓」とはチャート上において値が飛んでいる場面を指し、頻繁にチャートを見ている方ならよく目にすると思いますが、窓は相場を読むにあたって結構重要な役割をします。
右下図の赤丸がその窓。
まず「なぜ窓が開くのか?」という所から説明しますが、例えば右上図のような上昇局面で窓が開くケースというのは、前日高値よりさらに高い寄付きで始まり、終値でも前日高値を上回る場合です。
そうすると前日高値と当日安値の間に「窓」が開く事になる訳ですが、これはつまり「上昇力が極めて強い」事を意味し、前日NYダウが大幅高だったり日本株にとってかなりの好材料になるニュースが飛び込んできたりした時に現れる事が多い。
ただし「これだけ上昇力が強いのなら窓を開けた次の日も更なる上昇を見込める!」かと言えばそうでもなかったりするから相場は難しい。
上記は2011年6月現在の最新の日経平均株価3ヶ月分ですが、赤丸で囲っている数を見てもらうと分かる通り、かなりの数の窓が発生しており、そしてその後の動きもマチマチなのが分かります。
窓に関してよく聞く情報は大まかに二つあります。
・窓が開いて上昇する力(下落する力)が強いから、ここからさらに上昇(下落)するだろう
・窓を埋めに来るかもしれないから要注意
「窓を埋める」とは、開いた窓はいずれ埋められるという定説のようなものがあり、つまり窓を開けて上昇(下落)した所は早かれ遅かれ窓の所まで下落(上昇)して隙間を埋めにくるというものです。
実際上記のチャートを見てみると「窓が開いて勢いそのままに上昇(下落)」という場面より「窓を埋めに来る」という動きの方が目立っており、ほぼ全ての窓は近い未来に埋められている。
まあこの相場はボックス相場に近い動きなので結果的にそうなっているのかもしれないが、私が今まで見てきたチャートではやはり窓はほとんど埋められています。
おそらくそれには投資家心理も大きく関わっており、「窓は埋められる」という定説があるため買い進めづらいという心理が多少働いていると思いますし、窓を開けての大幅上昇は「買われすぎでは?」と売りに押される事が多いのではないでしょうか。
私個人の「窓」に対する結論は…
・窓の上昇力(下降力)を過信しない
・基本的に窓は埋められるモノと考える
…です。
あくまでもケースバイケースである事は言うまでもないですが、よっぽど上昇(下落)一辺倒の相場でもない限り、この「窓埋め」をある程度意識して取引したほうがいいと私は思います。
あわせて読みたい関連記事
信用取引は現物取引に比べ圧倒的に安い手数料が魅力のひとつです。しかし毎日金利や貸株料がかかるというデメリットもあり、「何日くらい保有すると現物より高くつくんだろう?」と考えたことはありませんか?その疑問に応えるべくいくつかのパターンで計算してみました…続きを読む
いざ投資をはじめようとした時「株にするかFXにするか」で迷う人は多いと思います。FXと株式投資どちらが儲かるかは人によって、もしくは投資法によって変わりますが、これらの特徴やメリットデメリットを詳しく解説しますので今後の投資に活かしてください…続きを読む
株価というのは良い材料が出れば上がり、悪い材料が出れば下がるとされています。しかし実際は全体の地合いやトレンドがものをいい、どんなに業績が良くても地合いが悪かったりトレンドが下降気味だったら株価は下がり、逆に業績が悪くても地合いが良ければ株価が上がる…続きを読む
株主優待をリスクなく貰う方法としていわゆる「優待タダ取り」というものがあります。厳密には手数料や貸株料がかかるためタダにはならないものの、銘柄を選べばかなりお得になります。しかし色々と注意点やデメリットもありますので損をしないための具体的な説明をしていきます…続きを読む
信用取引の場合2013年1月から差金決済が解禁され同一資金でいくらでも取引できるようになりましたが、現物取引の場合は差金決済が禁止されており同日中の同一資金による同一銘柄の取引は1往復までしか行えません。分かりやすく詳しい仕組みを見てみましょう…続きを読む
委託証拠金が不足し追証が発生しつつも、それを無視し期限を過ぎてしまったらどうなるのか?私自身が経験した追証から建玉を損切りしたものの結局信用取引を停止され、その後信用取引口座継続の意思確認を経て信用口座が復活した経緯を書きます…続きを読む
割安感を測る指標としてPER(株価収益率)は投資判断でよく用いられ、一般的に数字が低ければ「割安」とされますが、“マイナス”のPERはどうなのでしょうか?これは前期や今期予想などが赤字の場合に見られ、指標として意味を成しませんがV字回復への期待を込めて買うという方法も…続きを読む
株式投資とギャンブルの違いは胴元がいるかどうかもそうですが、やった後に何も残らないギャンブルと違い投資を始めると経済に敏感になり、結果経済の勉強になりますし、世界の人々が集う市場に参加するというのは閉鎖的なギャンブルの世界とは全く別物です…続きを読む