2012.01.17 販売台数の推移で見る自動車産業の衰退
最近は株式市場も一進一退の状況が続いており、しかも商い薄で活気が無く私のウザイ含み損も減るどころか増える傾向で、少なくとも株式市場単体で書く事はあまりない。
まあ含み損に対する恨み言を延々書いてもいいけどドロドロするよ?
そんな訳で最近はなんか適当なニュースを引っ張ってきて話題にする事が多かったのですが、最近話題といえば「東京電力」関連か「欧州債務問題」関連ばかりで、書いている私自身も若干マンネリ化を感じる今日この頃。
この「東京電力」「欧州債務問題」に関しては今日も「企業向け電力17%値上げ」とか「ギリシャのデフォルト懸念が強まっている」とか話題には事欠かないのですが、今日は趣向を変えて「自動車販売台数の推移」でも取り上げましょうか。
…まあ東電関連や欧州関連に比べれば需要は明らかに薄そうだけど…
そんな訳でイキナリ図↓
うんうん、バブル真っ只中の1990年以降概ね一貫して右肩下がりで今の日本を象徴しているようなグラフの形になっておりますね。
自動車産業は日本の基幹産業とも言え、最大の日本企業はトヨタですし、自動車産業の裾野の広さからも日本と自動車は切っても切れない間柄なのですが、国内の自動車販売がこうも弱いと、メイン市場を海外にシフトしてきている現状も致し方ないのかと。
日本市場が弱い事に加え、リーマンショック以降の一方的な円高で自動車業界の利益は圧迫され生産する工場も日本から逃げ出し、海外での現地生産が増えて日本の雇用にまで悪影響が出てきています。
こうなると…
1・雇用が安定しないから車買い控え
2・自動車販売減少
3・日本の自動車メーカー、より海外へシフト
4・自動車生産減で雇用が悪化
(以下1に戻る)
…という悪循環も起きるでしょう。
自動車というのは一つの車を作るのに数万点のパーツが必要となり、それらは下請け、孫請け、曾孫受け…と裾野を広げており、膨大な企業が関わっています。
景気の悪化により数年前にエコカー減税などが導入されたのも、自動車産業を活性化する事により多くの企業を潤すのが狙いです。
そのお陰もあって2010年の自動車販売台数は増えましたが、2011年は東日本大震災もあり販売台数は大幅に落ち込みました。
上図を見ると普通車の販売台数はピークから大きく減っているのに軽自動車の販売台数はさほど減っておらず、景気の悪化により日本人はより安価で税金も安い軽自動車や小型車に流れている事が伺えます。
しかし軽自動車や小型車は利幅が小さく、台数を売ってもあまり利益が出ないので自動車メーカーとしてはもっと大型の車を多く販売したいというのが本音のようです。
販売台数の落ち込みもさることながら、今の日本では「高級車が欲しい」「スポーツカーが欲しい」といった車に対する情熱が失せています。
実用的なものばかり求めるというのは日本人の余裕の無さを表しており、結局はそれが日本の経済の足かせになるという悪循環が見て取れます。
そんな偉そうな事言っている私の車は買ってもう10年になるから、まさに私も良い具合に日本経済の足をグイグイ引っ張っている感じがしなくもないけどお金も無いのでスマン。
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