配当・優待の権利付き最終日と権利落ち日

  配当や株主優待目的の投資では必須の知識

株式市場に上場している企業の多くは年に1〜4回の配当や優待を設定し株主に利益を還元しています。それは規定数の株式を保有していれば自動的に貰えるものですが、最大限かつ効率よく活かすには権利付き最終日と権利落ち日を知っておく必要があります。

というのも、配当や優待というのは「長期間保有していれば受け取れるもの」というイメージを持っている人もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうではなく「決められた日に保有していれば受け取れるもの」だからです。

極端は話をすればたった1日保有するだけで配当や株主優待が受け取れますし、年間に1回しか配当が出ない企業であれば364日株を保有していても配当を貰えない場合もあります。

「せっかく長期間保有していたのに配当や優待を貰えなかった…」

こんな事態を避けるためにも権利付き最終日と権利落ち日について正しい知識を身に付けるようにして下さい。

  権利付き最終日と権利落ち日

配当を出している多くの企業は中間配当・期末配当として年2回行っており、その中でも大半の企業が3月の本決算と9月の中間決算の月に権利を付与していますので、ここでは3月9月の2回配当として話を進めます。

■権利付き最終日とは

権利付き最終日とは簡単に言ってしまえば「取引が終わった時点で株式を保有していたら配当や優待を貰える権利が発生する日」のことで、仮に3月に権利が発生するとすれば3月の最終日…つまり31日の3営業日前になります。

権利付き最終日とは

配当や株主優待を貰うためには3月末の権利確定日に株式を保有している必要があるのですが、株主として記録されるための期間ととして3営業日必要になるため、そのタイムラグを考慮すると3営業日前に株を保有している必要があるというわけです。

上のカレンダーの例では土日を挟むため権利確定日の3営業日前は26日ということになり、仮に土日が無いとすれば28日になります。

3月末である権利確定日に株を保有している必要があるといっても権利付き最終日から権利確定日まで保有し続ける必要はなく、権利付き確定日の取引終了後まで株を保有していれば翌日には売ってしまっても配当や優待は受け取れますので安心して下さい。

つまりこのカレンダーの例であれば26日の引け間近に買って翌27日の寄り付きで売ってしまっても配当や優待を受け取れることになります。

■権利落ち日とは

権利落ち日とは上で書いた「権利付き最終日」の翌日を指し、ここでの例では「この日以降に買っても3月の期末配当は貰えない」という日になります。

権利落ち日とは

具体的には月末の権利確定日の2営業日前で、上図の土日を挟むカレンダーでは27日、土日がない場合は29日に。

このカレンダーの例では27日に買っても株主として記載されるのは4月1日になってしまうため権利確定日に間に合わないのです。

  権利付き最終日の夜間取引(PTS取引)について

権利付き最終日と権利落ち日についてだいたい分かっていただけたと思いますが、中には「もし権利付き最終日の取引終了後に夜間取引で売ってしまった場合はどうなるんだろう?」と疑問を感じる人もいるのではないでしょうか?

基本的に夜間取引では売買が成立しても実際の約定処理は翌日になるため、権利付き最終日の夜に夜間取引を用いて売ってしまっても配当や優待は受け取ることができます。

逆に言えば権利付き最終日の夜間取引で株を購入しても配当や優待は受け取れないことになりますので注意して下さい。

ただ、夜間取引(PTS取引)は証券会社によって市場が異なっていたりしてルールも微妙に異なり、もしかしたら今後約定が当日扱いになる可能性もあるかもしれませんので、しっかりとルールを確認しておく必要があるかもしれません。

  権利付き最終日と権利落ち日の注意点

権利付き最終日の存在を知っていればたった1日保有するだけで配当や株主優待が受け取れるため「この日だけ買えばウハウハじゃん」と考える人もいるかもしれませんが、事はそう甘くはありません。

当然そんなことは皆が考えることなので権利付き最終日の数日前から株価は徐々に上昇する傾向にありますし、一般的に権利落ち日には配当分相当の下落をするとされています。

また、権利落ち日に急落することを見越して「権利付き最終日に空売りすれば儲かるんじゃ…」と考えがちですが、実は権利付き最終日に空売りし取引が終了すると「配当調整金」というものを差し引かれることに。

これは簡単に言ってしまえば配当相当額を支払うことを意味するため、権利落ち日に配当相当分下落するとすれば理論上は手数料分損をすることになるのです。

しかも権利付き最終日が近づいてくると同じようなことを考える人が多いのか空売りが増え貸株が不足しがちになるため「逆日歩」が発生する可能性が高まり、損をするリスクは尚更高まってしまいます。

配当ではなく株主優待のみの銘柄では「配当調整金」は発生しないため空売りはやりやすくなるものの、そういった銘柄は権利落ち日でも値はあまり下がらない傾向にあり、こちらも当然ながら逆日歩に気を付ける必要があります。

制度信用取引では逆日歩が発生するため一般信用取引で取引する方法、またそれを利用して「優待ただ取り」という方法もあります。このへんはまた別の機会に詳しく書きましょう。

  権利付き最終日、権利落ち日を投資に活かそう

これまで書いてきた通り権利付き最終日や権利落ち日が近づくにつれ様々な思惑が株価に反映されてきます。

  • ■配当や株主優待が欲しいから買おう
  • ■株価が上がる権利付き最終日までに売ってしまおう
  • ■地合いが良いし権利落ち日でもそれほど下落しないだろうからホールドで
  • ■権利落ち日の下落に期待して当日空売りで

権利付き最終日に株価がどれほど上がるのか、権利落ち日にどれほど下がるのかは株式市場の地合いや配当・優待の額など様々な要素が絡むため実際は蓋を開けてみなければ分かりません。

ただ権利付き最終日に向けて株価が上がり権利落ち日に急落する可能性が高いことは間違いありませんので、配当や優待に興味があるかどうかに関わらずこれらに留意すれば儲けるチャンスが広がることは間違いないでしょう。

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