癒着と利権と公共事業予算の推移

「公共事業は景気回復に必要」という話を聞く一方「公共事業は無駄の象徴」という意見も散見されますが、前のページの最後でも取り上げたように、「道路建設で地元が潤う」という二次的な面では効果があるのでしょうか?

新しい道路が建設され交通の便が良くなれば、地元にとって車などの流入によっての経済効果が期待できますし観光客の増加も期待できますから、雇用面も含め道路建設を切望する地方自治体は多い。

確かに道路を建設される地元にとってはそうでしょう。

でもよく考えてみれば、新しい道路が出来たって人口が増えるわけではないので、今までAやBに遊びに行っていた人が、道路建設によってAやBの代わりにCにも遊び行くようになるだけであって、ただ単にパイの奪い合いになるだけなのでは?

「行ける場所の選択肢が増える」だけでは広い意味での経済効果は期待できない。

そもそも根本的な話として、公共事業に当てるお金は我々が払っている税金であり、税金を使っている以上、仮に公共事業に10兆円使うのであれば、それ以上の効果を出してもらわないと納得が出来ないというのが本音です。

公共事業によってある程度景気が刺激されたとしても、公共事業に使われる税金を払う人間の消費が同じだけ落ち込めば本末転倒と言わざるを得ない。

では、これまで公共事業にどれだけお金が使われてきたかグラフで見てみましょう。

公共事業予算の推移

これを見ても分かる通り、景気の悪化と公共事業に対する風当たりの強まりにより平成9年をピークにほぼ右肩下がりで推移しています。

色々と公共事業に批判的な事を書きましたが、公共事業自体は絶対に必要なものでそれを否定するつもりはまったくなく、要は「本当に必要なものに使ってくれ」と言いたいのです。

利権、票、金、天下り…

公共事業には常にこういったものが付きまとい、官僚は天下り先確保のために数百億円を平然と使い、政治家は金と票を確保するためにゼネコンと癒着し、見返りに仕事を融通する…
そしてそういった公共事業を正当化するために、都合のよいデータを持ち出す。

政治家や官僚の長年のそういった行いが公共事業に多大な無駄を生み出し、結果としてそれが公共事業に悪い印象を生み出しました。

しかし今でも利権や癒着は確実に存在します。

そういったものがある限り多くの無駄は消えず、前ページでも書いた「乗数効果」は机上の理論になり、本当の意味で公共事業が景気回復に寄与する事はないのかな…と私は感じます。

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