デフレ脱却を考察する

さて、前のページの続きですが、ドイツは日本に先駆けて人口減少が始まっておりますが、GDP(国内総生産)もCPI(消費者物価指数)も日本に比べれば健全です。

人口減少が始まっている国は他にも東欧などにも多かったりするのですが、実はロシアも日本以上のスピードで人口減少が進んでいます。
ロシアといえばBRIC'sの一角で経済成長著しい新興国のはず。

それでもロシアのGDP伸び率やインフレ率は高く、人口減少の影響は微塵も感じない。
まあロシアの場合原油産出国ですから原油高の恩恵を多分に受けてのGDP成長率とも言えますが、少なくとも人口減少や高齢化とデフレを結びつけるのは早計と言わざるを得ない。

さて、本題に戻って「どうすれば日本はデフレから脱却できるのか?」。

一番単純かつ効果的なのは「消費を増やす」ですが、これの手っ取り早い解決策は「収入を増やす」になります。
とはいえ今の経済状況では企業も賃金アップに二の足を踏んでしまうのは確かでしょう。

しかし2002年から始まった戦後最長の景気拡大期に日本の大企業は史上最高益を連発していましたが、その大半は内部留保や株主配当に回され従業員の賃金はほとんど上がりませんでした。

つまり日本の大企業は中長期的な経済成長、ひいてはデフレ脱却に必要な賃金アップという選択を自ら捨て、今再びデフレと景気低迷に苦しんでいるのです。

賃金アップが望めないのであれば他の方法を考えてみましょう。
政治家が様々な景気対策を行い日銀は金融緩和を推し進めていますが、日本の景気は上向かないしデフレ脱却も見えてきません。

私が個人的に真っ先に行うべき事だと考えているのは「将来の安心」を国民に示す事。

その象徴に年金が挙げられますが、他にも社会保障の充実や雇用対策も重要です。
今の景気状況で賃金アップが望めないなら、年金制度の抜本的な改革と雇用対策で安定した収入を確保しつつ、社会保障の充実で将来の不安を出来る限り払拭するしかない。

しかしそんな私の考えとは逆行するように年金需給年齢を68歳〜70歳まで引き上げる議論がなされていますし、もしそうなった場合、現在45歳以下の人は年金受給額より払い込み金額の方が多くなってしまう懸念も出てきています。

そりゃ財布の紐も固くなるよ…

今の日本は消費の弱さからデフレに陥っていますが、近年の原油や小麦粉、穀物など原材料価格の高騰で供給面でのインフレが起きつつあります。
景気が低迷し消費が弱いのに供給インフレが起きる…これは典型的なスタグフレーションで、ますます日本の経済が弱まる懸念が…

安定的かつ持続的な経済成長には1%〜2%の緩やかなインフレが理想的言われています。
もちろんそれにはある程度の消費、賃金上昇、失業率低下、良好な企業業績などの要因が必要不可欠なのですが、今の日本には望めないものばかり。

とにかく…私としてはとにかく将来の安心を確保してほしい。
デフレ脱却の大きな鍵を握っている年金制度は本来、戦中の軍事費調達のために造られたらしいですが、今の高齢化、人口減少の日本にそぐわないのは明らかです。

遠い将来破綻するのは目に見えていても、唯一それを改革できる力を持っている政治家が年寄りばかりでは自分の保身や老後の安心を最優先にして制度改革は先送りになるわな…

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