短期、長期のインフレと円相場の関係

2ページに渡って「インフレ」と「円相場」に加え「金利差」や「金融緩和」を交えて書いてきましたが、結論として円安、円高を決める一番の要因は何なのか?

為替相場はインフレや金利差はもちろん、国力や景気、株価から財政問題、政治に至るまで、実に様々な要因に影響を受け、「これが最大の要因だ!」とは言い切れないのですが、今回のテーマである「インフレ」をターゲットに掘り下げてみると…

通称「アベノミクス」と呼ばれる明確なインフレ目標と強い金融緩和で大きく円安に振れたように、インフレは円安を引き起こす大きな要因である事には疑いの余地はない。

しかしインフレとは良好な景気と旺盛な消費によってもたらされる場合が多く、それは国力の向上と金利の上昇を伴い、結果として通貨高に振れる場合も多々あり、それが問題を難しくしている大きな要因でもあります。

インフレが金利引き上げ期待を生み、金利差を狙ったキャリートレードが活発になれば、「インフレ=通貨高」となりますし、実際にサブプライムローン問題やリーマンショックまではそれがまかり通っていました。

歴史的に見ても通貨安とインフレが結びつかない動きをしている時期は頻繁に見られ、数年というスポット的な見方では必ずしもインフレと通貨安は結びつかない。

では長期的に見るとどうか?
ドル円の推移と日米の消費者物価指数の動きを比べてみると…

ドル円相場と日米消費者物価指数の推移

赤い線のアメリカの消費者物価指数はここ30年以上右肩上がりですが、黄緑の線で示した日本の消費者物価指数は長らく横ばいで推移しているのが見て取れ、ドル円の相場に目を向けると、大きな波はあれどほぼ一貫して円高トレンドだという事がわかります。

30年というスパンで見た場合、アメリカは安定したインフレでドル安傾向…つまり長い目で見れば「インフレ=通貨安」はやはり正しい事になり、これは他国でもおおむね同様の動きを示しております。

ただ、高金利通貨として知られる豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨は、日本とは違い共に安定的にインフレで推移しておりますが、対円の為替相場ではここ20年くらいボックス相場を形成しており、為替相場にとって金利差は大きな要因である事も伺える結果に。

今現在、日本は2%のインフレ目標と金融緩和によって長らく続いたデフレから脱却し、またそれに伴う円安で国内景気も上向かせようとしており、その大きな期待感から急激に円安に振れています。

この目標が達成されれば日本はデフレから脱出し、他国同様緩やかなインフレという正常な状態に戻り、円もそれなりに円安になると思われますが、仮にこの目標が腰砕けになれば…急激な円高への逆戻りも考えられるでしょう。

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