信用取引のメリットデメリット

前のページでは制度信用取引と一般信用取引の違いについて説明しましたが、では制度信用取引、一般信用取引、そして現物取引で一体どういったメリットデメリットがあるのでしょう?
ここではその辺を掘り下げて行きたいと思います。

まず手数料から考えてみると、これは現物に比べ明らかに信用取引に分があります。
どの証券会社でも信用取引の手数料より現物取引の手数料のほうが安いという事はありえず、手数料の安さは必ず「信用取引≧現物取引」となります。
ちなみに制度信用も一般信用も手数料は一緒です。

次に期限あたりを見てみると、これは間違いなく現物に軍配が上がります。
まあ「期限」という面のみを見れば無期限の一般信用取引も一緒ですが、高い金利を考慮すると全く勝負になりません
期限6ヶ月の制度信用取引は言うに及ばず。

次に空売りですが…そもそも空売りできない現物取引は除外するとして、制度信用取引と一般信用取引を比べて、空売りできる銘柄の数であれば圧倒的に制度信用ですが、一般信用取引は証券会社ごとに空売りできる銘柄が違うため、制度信用取引では空売りできない銘柄も一般信用取引では可能…という場合もあります。
でも普通に考えれば空売りは制度信用取引に分があります。


では次に投資法ごとに合った取引を見てみましょう。

デイトレードスキャルピングなどの超短期売買であれば現物取引より手数料の安い信用取引が有利で、より厳密に言うならば金利の安い制度信用取引が良いです。
これは信用取引の場合たとえ保有時間が数秒でも一日分の金利が掛かるため、一日に何度も取引するなら金利の高い一般信用取引より金利の安い制度信用取引の方が向いています。

そして数日保有する事が多いスイングトレードなら…微妙ですね。
これは取引金額と保有日数によって手数料が安いという信用取引のメリットを金利が打ち消してしまいますので現物と信用どちらが有利か難しいですが、最近はそもそも手数料自体が全体的に下がっているので保有日数が2、3日を超えるのであれば現物の方が無難だと思います。

そして中長期であれば現物一択です。
期限6ヶ月の制度信用では長期保有は出来ませんし、無期限の一般信用で長期保有だと金利や貸株料がスゴイ事になってしまいますし、仮に空売りで逆日歩がかかってきたらもう最悪。

中長期の保有であれば配当や株主優待なども絡んできます。
配当であれば信用取引でも「配当落調整金」という形で配当相当の金額が受け取れますが、株主優待は現物取引でしか受け取れず、こういった面でも中長期の保有は現物が圧倒的に有利です。

ただし、上記で投資法ごとにあった取引法を挙げましたが、これらはあくまでも投資金額を考慮せず無駄なお金を使わない事に終始しているので、「どうしても資金以上の取引をしたい」というのであれば短期だろうが長期だろうが信用取引一択になります。

そしてこの「資金の約3倍の取引ができる」信用取引の特性をメリットと取るかデメリットと取るか…は人それぞれになります。
まあ最大で3倍の取引が出来る…という事に過ぎないので、そこは自分でコントロールすれば特にデメリットになる事はありませんが、「使えるからつい取引限度額に近い所まで取引してしまう」という若干意思の弱い方にはデメリットになりうるかも…

この「資金の3倍」は元々ハイリスクハイリターンの株式取引を超ハイリスク超ハイリターンにするようなものなので、腕のある投資家であればこれほどのメリットは無いでしょうが、腕の無い投資家にとっては、あっという間に資金が消えてしまう危険をはらんでいます。

追証の問題もありますので資金の3倍の取引が出来るといっても、できるだけ余裕を持って取引することをおすすめします。

結局信用取引にも現物取引にもそれぞれメリットがあり、上手く使い分けるのがベストなのですが…ここで一つ私の本音を…

一般信用取引って…存在理由あるの?

ま、この辺はここの項目の趣旨とは違うので別の項目で検証してみるとして、とりあえず「信用取引のメリットデメリット」をまとめます。

まとめ

・短期トレードなら手数料の安い制度信用
・中長期なら金利が高くつく信用は×
・空売りしたいなら信用しかない
・どうしても資金以上の取引がしたいのであれば信用一択

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