デフレーションとは

前ページの「インフレーション」に続いてデフレーションについて解説していきます。
デフレとは「物価の上昇=貨幣価値の下落」であるインフレの逆で「物価の下落=貨幣価値の上昇」になります。

一般的に経済などのニュースでよく耳にするのは「インフレ」という言葉ですが、日本においてはちょっと事情が違い「デフレ」という言葉をよく耳にする事でしょう。
というのも日本ではバブル崩壊後デフレに苦しめられてきたからです。

戦後G7などの先進国でデフレに陥った国は日本だけで、多くの国々はインフレを押さえ込むために苦慮しているのですが、日本はデフレ脱却に苦慮している状況で、2011年10月現在デフレ脱却には至っていません。

ではなぜデフレになるのか日本を元に考えてみましょう。

これもインフレ同様様々な要因があるのですが、まず単純にインフレの逆で考えてみると、 需要が供給を上回りインフレになるのであれば、供給が需要を上回ればデフレになる。
つまり「物あまり」の状況という事になりますが、今の日本の消費の弱さを考えるとこれは妥当な考えと言えます。

もう一つのインフレの原因である人件費、原材料高によるものでデフレを考えると、少なくとも今の日本の賃金は下落、横ばい傾向なので人件費の面でいえばデフレに結びつくかもしれませんが、大豆や小麦粉、原油などの様々な原材料は概ね高騰しており、むしろインフレ圧力が強まってもおかしくない状況です。

それでもデフレ脱却に手間取っているのは、やはり消費の弱さが一番の要因で、そこからもたらされる「デフレスパイラル」から未だに抜け出せない…と考えるのが妥当なのでしょうか。

ちなみにデフレスパイラルとは下記のような悪循環を指します↓

1・供給が需要を上回り物が余るので物価が安くなる

2・物価が安くなれば企業の売り上げも減り業績は悪化

3・企業の業績が悪くなると従業員の賃金は減り、雇用も悪化する

4・企業は業績の悪化により設備投資を控え、給与所得者は賃金の減少により消費を控える

5・物が売れなくなる ※以下1へ戻る

一説には高齢化と人口減少が大きな原因と見る動きもあります。
しかし実際に人口が減少に転じているドイツなどの東欧、ロシアなどでもデフレには陥っておらず、ある程度の要因にはなりえても直接的かつ大きな原因とは考えにくい。

まあこの辺を突き詰めるとキリがないので別のページでじっくりやりたいと思います。

インフレの場合「年1~2%の緩やかなインフレが理想的」と言われ、必ずしも悪いものではありませんが、デフレの場合あまりメリットは無く悪い面が目立ちます。
あえて言うなら借金大国の日本においてはデフレのお陰で実質金利は上がらず、膨大な金利の支払いを最低限に抑えられているという点か。

そもそもデフレには多くの場合弱い消費が付きまとうので、経済活動はどうあっても弱くなる。
「物が安くなった」と喜んでいる人は、それによって企業や従業員、ひいては日本自体にどういった事が起きるのかまで想像できない人と言わざるを得ない。

目先の微妙な物価安など吹き飛ぶくらいの損が中長期的に回りまわって自分に降りかかってくる…それがデフレというものだと覚えておきましょう。

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