ユーロ導入からの値動きの推移
今回の欧州債務問題で大きく値を下げたユーロですが、そもそもユーロは歴史的にどういった値動きで推移してきたのでしょう?
まずユーロの生い立ちですが、ユーロは1999年1月から正式に導入された新しい統一通貨であり、ユーロを法定通貨としている国は17ヶ国で、それらをひっくるめて「ユーロ圏」と呼んだりする事もあります。
ユーロが導入された当初は円に対して約132円でスタートしたものの、その後はほぼ一方的に値下がりし2000年の10月に史上最安値である88.87円まで円高が進みました。
しかしその後は一転してユーロ高になり、超低金利の円と高金利の他通貨の金利差を利用した「円キャリートレード」の隆盛もあって、2008年7月には史上最高値の169.93円を付けます。
ただ最高値を付けた2008年はサブプライムローン問題が表面化した後で、そのすぐ後にリーマンショックが起き、金融不安により今まで円キャリートレードで積み重ねた円の売りポジションを一気に解消しようとしたためユーロをはじめ円を除くすべての主要通貨は暴落しました。
その後若干持ち直したものの、件のギリシャの債務問題が表面化した上図赤丸の2009年10月のギリシャ政権交代時からユーロの下げが加速します。
そして2011年に入ると欧州債務問題は深刻化し、ユーロはほぼ一方的に売られる展開に。
2012年に入ってからは100円を切る水準で推移しておりますが、欧州債務問題が解決しない限りユーロの復権はないでしょう。
…いや、仮に欧州債務問題がひとまずの決着を見せても、ユーロ圏の「統一されていない財務ルール」や「ECBによる17ヶ国に対しての画一的な金融政策」など根本的な問題をどうにかしないと、もはやユーロの信用は取り戻せないかもしれない。
2012年はユーロにとって正念場になるでしょうし、この欧州債務問題はユーロ圏にとっての試金石となる事は間違いなく、この対応如何が欧州の将来を左右すると言っても過言ではないでしょうね。
あわせて読みたい関連記事

信用取引は現物取引に比べ圧倒的に安い手数料が魅力のひとつです。しかし毎日金利や貸株料がかかるというデメリットもあり、「何日くらい保有すると現物より高くつくんだろう?」と考えたことはありませんか?その疑問に応えるべくいくつかのパターンで計算してみました…続きを読む

いざ投資をはじめようとした時「株にするかFXにするか」で迷う人は多いと思います。FXと株式投資どちらが儲かるかは人によって、もしくは投資法によって変わりますが、これらの特徴やメリットデメリットを詳しく解説しますので今後の投資に活かしてください…続きを読む

株価というのは良い材料が出れば上がり、悪い材料が出れば下がるとされています。しかし実際は全体の地合いやトレンドがものをいい、どんなに業績が良くても地合いが悪かったりトレンドが下降気味だったら株価は下がり、逆に業績が悪くても地合いが良ければ株価が上がる…続きを読む

株主優待をリスクなく貰う方法としていわゆる「優待タダ取り」というものがあります。厳密には手数料や貸株料がかかるためタダにはならないものの、銘柄を選べばかなりお得になります。しかし色々と注意点やデメリットもありますので損をしないための具体的な説明をしていきます…続きを読む

信用取引の場合2013年1月から差金決済が解禁され同一資金でいくらでも取引できるようになりましたが、現物取引の場合は差金決済が禁止されており同日中の同一資金による同一銘柄の取引は1往復までしか行えません。分かりやすく詳しい仕組みを見てみましょう…続きを読む

委託証拠金が不足し追証が発生しつつも、それを無視し期限を過ぎてしまったらどうなるのか?私自身が経験した追証から建玉を損切りしたものの結局信用取引を停止され、その後信用取引口座継続の意思確認を経て信用口座が復活した経緯を書きます…続きを読む

割安感を測る指標としてPER(株価収益率)は投資判断でよく用いられ、一般的に数字が低ければ「割安」とされますが、“マイナス”のPERはどうなのでしょうか?これは前期や今期予想などが赤字の場合に見られ、指標として意味を成しませんがV字回復への期待を込めて買うという方法も…続きを読む

株式投資とギャンブルの違いは胴元がいるかどうかもそうですが、やった後に何も残らないギャンブルと違い投資を始めると経済に敏感になり、結果経済の勉強になりますし、世界の人々が集う市場に参加するというのは閉鎖的なギャンブルの世界とは全く別物です…続きを読む