ソフトランディング
景気というのは良いに越した事はありません。
普通に社会で生活し、働いている一般的な方なら誰しもそう感じるでしょう。
確かに良いに越した事はないのですが、仮に良すぎた場合はどうでしょう?
かつての日本のバブル景気が典型ですが、この記事を読んでいる人にも実際当時の景気の良さを肌で感じた方もいらっしゃるかもしれません。
その後の事は皆さん知っての通りのハードランディングになりましたが、当然日本政府も日銀もこれを望んでいた訳ではなく、もっと穏やかに景気を押さえ込みつつ適度な経済成長へと変えていこうと考えていたはずです。
この加熱した景気を上手にコントロールし、安定的かつ持続的な経済成長へ促すのがソフトランディングの考え方で、 文字通り飛行機や宇宙船などの着陸の様子で例えた言葉で「軟着陸」の意味を持ちます。
最近ではバブル真っ最中の中国経済の行方を占う上でこのソフトランディングやハードランディングという言葉がよく使われますが、過去の歴史を調べてみても明確なソフトランディングの成功例というのは見当たりません。
反対にハードランディングの事例はたくさんあるのですが、もしかしたらそれなりのソフトランディングに成功してもハードランディングのようなインパクトは無いから記憶、記録に残らないだけかもしれない…とか私なりに考えてみたり。
一般的にバブルとは不動産や株式などが実体経済とはかけ離れて上昇し、それによって金の流通が旺盛になり人々は消費に走り物価もドンドン上昇する状況を指すのですが、当然国や中央銀行はこんな異常な経済成長が長く続かない事は分かっています。
なので国は不動産や株式の取引に規制を設けたりし、中央銀行は金融の引き締めを行う。
ただし国も中央銀行もあまり急激に景気を冷やしたくはないから引き締めのサジ加減は困難を極める訳です。
先進国ならば行き過ぎた景気を押さえ込みつつ国内総生産(GDP)を2~4%、消費者物価(CPI)を1~2%程度に抑え、かつ安定的にその水準をキープできればソフトランディングは成功したと言えるのではないでしょうか。
今現在、当面の注目は中国でしょう。
GDP成長率は10%前後で推移し、ここ数年はインフレも加速しており当局も引き締めを強めていますが苦戦しています。
個人的には中国にあまり良い印象はないけれど、もし中国でハードランディングが起きれば世界経済への影響は計り知れないでしょう。
投資での安定した収益や平和な給料収入を望むのであれば、中国に複雑な感情を抱きつつもソフトランディングに落ち着いてくれる事を祈るしかないのです。
…なんか切ないね…
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